国内

JBIC、中東からリスク分散 アフリカLNGに1.5兆円

 政府系金融機関の国際協力銀行(JBIC)は16日、アフリカ南部モザンビークの液化天然ガス(LNG)開発にメガバンクなどと144億ドル(約1兆5000億円)を協調融資すると発表した。アフリカ向けの融資額では過去最大という。政情不安のリスクがある中東への依存度を減らし、調達先を分散させるのが狙い。

 JBICが30億ドルを融資し、残りを三菱UFJ銀行やみずほ銀行、三井住友銀行などが担う。モザンビークで開発するガス田では、2024年から年間約1300万トンのLNGを生産し、うち約3割を東京ガスや東北電力など日本企業が買い取る。これは国内での年間需要の約5%に当たる。

 日本は世界最大のLNG輸入国で、中東カタールなどから調達している。中東の輸送ルートとなるホルムズ海峡は、タンカーが攻撃されるなど地政学的なリスクが高まっているため、調達先を多様化する。

 環境面でも、LNGは石炭火力発電より二酸化炭素(CO2)の排出量が少ないため、石炭火力の代替燃料として国際的に需要が増加している。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus