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地元定着に地方国立大の定員増 政府、創生基本方針 遠隔勤務を支援

 政府は、東京一極集中の是正を目指す地方創生に向けた2020年「まち・ひと・しごと創生基本方針」をまとめた。若者の地元定着を促すため、地方国立大の定員を増やすなどの大学改革に取り組むほか、新型コロナウイルス感染拡大に伴う在宅勤務の広がりを機に、移住推進に向けた東京企業の地方サテライトオフィス開設や遠隔勤務を支援することが柱。17日に閣議決定する。

 地方国立大の定員増は、進学や就職のタイミングで若者が東京圏に流出するのを防ぐのが狙い。地域経済を支える人材育成やオンライン教育の活用、他大学や地元産業界との連携も強化する。私立も含めた地方大学の魅力向上策を有識者会議で議論し、改革の方向性を年内に取りまとめる。

 移住促進策では、東京の企業の社員が地方など遠隔地で働く「リモートワーク」の推進に向け、サテライトオフィス誘致に取り組む自治体を支援する。中央省庁も、職員のリモートワーク実践に向けた検討を進める。

 地方のデジタル環境を充実させるため、第5世代(5G)移動通信システムなどの次世代情報通信インフラを全国規模で早期に整備する考えも示した。

 安倍晋三首相は、官邸で15日に開かれた政府の「まち・ひと・しごと創生会議」会合で「ポストコロナの時代を見据え、地方創生を新たなステージへと押し上げていく。若者を引きつけるような魅力ある学びの場、働く場を地方につくる」と述べた。

【用語解説】地方創生の総合戦略

 東京一極集中の是正と人口減少克服を目的に、政府が取り組む施策を示した5カ年計画。2015~19年度の第1期では、政府機関・企業の地方移転や、地方での起業支援などを重点施策とした。20~24年度の第2期は地方移住や関係人口の拡大、人工知能(AI)など先端技術の活用を柱に据えた。自治体には「地方版総合戦略」の作成を求め、子育て支援や移住者誘致に取り組む財源の一部を交付金で支援する。

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