海外情勢

米金融大手、棚ぼたで100億ドル FRBコロナ対策でトレーディング収入大幅増

 米経済が多くの不安を抱える中、米金融大手各社が証券のトレーディングで好業績を上げている。米連邦準備制度理事会(FRB)が積極的な景気支援策を行うとともに、債券市場の資金フロー維持に努力したことが主因だ。金融業界への恩恵は100億ドル(約1兆700億円)に上るとみられている。

 ゴールドマン・サックスが15日発表した4~6月期(第2四半期)決算によると、株式と債券のトレーディング収入が前年同期から93%増え、市場予想を約25億ドル上回った。

 この背景にあるのが、FRBによる景気支援が、株式相場を記録的な上昇に導き、トレーディングサービスへの需要が増えたことだ。債券トレーダーが相場の急変動の機会をうまく捉えて記録的業績を達成し、パンデミック(世界的大流行)を乗り切ろうと必死で資金調達に動く企業向けに金融機関が多数の借り入れ契約をアレンジする中で、FRBの動きは、金融大手各社に棚ぼた式に100億ドルの恩恵をもたらしたようだ。

 JPモルガン・チェースとシティグループが貸倒引当金を積み増したにもかかわらず黒字を確保し、ゴールドマン・サックスが予想外の増益となったのもそのおかげだ。

 2009年の金融危機の一因となり、政府による救済を促した銀行資本に関係するタイプの不安は、この思いがけない市場からのもうけで差し当たり緩和された。だがそれは、FRBによる対応が、感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)の影響で苦境が続く中小企業でなく、金融機関に不釣り合いな形で利益を与えたのではないかとの疑念も生じさせる。

 資本市場コンサルティング会社オピマスのオクタビオ・マレンツィ最高経営責任者(CEO)は「ゴールドマンの前四半期の利益は実際のところ出来過ぎだった。FRBは数兆ドルを投入し大幅な相場回復を見事に実現し、主に投資銀行が恩恵を受けた。ウォール街でなくメインストリート(実体経済)により多くの支援を行うよう政府に求める声が出てくるだろう」と指摘した。(ブルームバーグ Jennifer Surane、Sridhar Natarajan)

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