フィリピン下院の委員会はこのほど、国内の民放最大手ABS-CBNに25年間有効の放送免許を改めて与えるかどうかを採決し、反対多数で否決した。同社はドゥテルテ政権に批判的な報道で知られ、放送免許失効を理由に政府から5月に放送停止命令を受けていた。
放送停止は政権による報復措置との見方が強い。下院には親ドゥテルテ派の議員が多く、否決はドゥテルテ氏の路線に同調した可能性がある。ロケ大統領報道官は「大統領府は中立的立場を保ってきた」として介入を否定した。
採決では下院議員70人が免許付与に反対。賛成は11人にとどまった。
同社がもともと保有していた放送免許の更新が議会で審議されていたが、新型コロナウイルスの影響で中断。5月4日付で免許切れとなり、政府機関の国家通信委員会が同5日、放送停止を命じた。
それ以降、同社はテレビ、ラジオの放送をやめている。(マニラ 共同)