海外情勢

トランプ氏選挙前最後のチャンスか 共和党が1兆ドル追加景気対策公表へ

 トランプ米大統領と共和党議員らは、11月の選挙を前に新型コロナウイルス感染再拡大による経済混乱の深刻化を阻止する最後のチャンスに向き合っている。

 悪い経済ニュースが続く中で、マコネル共和党上院院内総務は今週、個人や企業向けの新たな新型コロナ対策として、トランプ政権とともにまとめた約1兆ドル(約107兆円)規模の共和党案を公表する予定だ。

 その後、共和党は既に3兆5000億ドル規模の提案を打ち出している民主党との交渉に入る。金額以外にも、企業や学校などの組織をコロナ関連訴訟から守る免責条項を盛り込むマコネル氏の決意など詳細部分の多くについて、双方の溝は依然深い。

 ほかにもまだ複雑な問題はある。事情に詳しい関係者によると、議会共和党は新型コロナ検査と接触追跡に関する州支援予算250億ドルを支持しているが、トランプ政権は難色を示している。トランプ大統領は給与税免除を主張しているが、この案に対して与野党はいずれも冷めた反応だ。

 上院の8月の休会入りまで3週間を残すだけでその後は選挙戦が本格化するため、それまでにこれら全てを調整する必要がある。コロナ禍の米経済を支援してきた2兆9000億ドルの連邦政府の資金が底を突きつつある中、感染者数は記録を更新し、一部の州は経済再開計画の巻き戻しを余儀なくされている。

 経済の足元が揺らぐにつれ、トランプ大統領と共和党議員らの再選戦略の柱もぐらついている。両党は追加対策の策定で利害関係があるが、最も大きな政治的負担はトランプ大統領にかかる。トランプ氏は米経済が選挙直前の7~9月期(第3四半期)に「急回復」するとの見通しを繰り返し示してきたが、そうした予想は一段と不確実になっている。

 INGファイナンシャル・マーケッツのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は「今後3週間で、われわれがここからどこに進むのかという問題の核心に到達する」と述べた。

 トランプ大統領と共和党議員らはあらゆる方面で包囲されている。トランプ氏が再選に向けて勝利する必要があるアリゾナやテキサス、フロリダなどの州では感染拡大が深刻化。CBS放送が7月7~10日に実施した調査によると、フロリダ州ではトランプ氏の支持率は民主党候補指名を確実にしているバイデン前副大統領に対して現在6ポイント後れを取っている一方、アリゾナ州では拮抗(きっこう)し、テキサス州では1ポイントのリードにとどまっている。(ブルームバーグ Mike Dorning、Christopher Condon)

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