海外情勢

EU首脳が92兆円復興基金で合意 補助金と低利融資、共同債券発行

 欧州連合(EU)首脳会議は21日未明(日本時間同日午後)、新型コロナウイルスで打撃を受けた国を支援する「復興基金」で合意に達した。EUの行政執行機関である欧州委員会がEU全体を代表して債券を発行し、加盟国共同での原資調達に初めて踏み込む。首脳会議は異例の4日目まで延長された後、5日目に突入しようやく決着した。

 実質的な復興基金となる総額7500億ユーロ(約92兆円)の経済再建策のうち、返済が不要な補助金が3900億ユーロとなり、残り3600億ユーロは低利融資で供与される。

 復興基金の約3分の1は気候変動対策に充てられる。EU次期7カ年中期予算と合わせると過去最大規模の環境投資を伴う刺激策となる。今回の合意は、復興基金を当初提案したドイツのメルケル首相とフランスのマクロン大統領にとっても勝利を意味する。メルケル氏は「非常に安堵(あんど)している。EUが直面する最大の危機への対応策を用意できた」と語った。

 イタリア政府高官によると、欧州の新型コロナ感染拡大の中心となった同国は、初期の見積もりで補助金約820億ユーロ、低利融資約1270億ユーロを受け取ると予想され、復興基金から最大の恩恵を受ける可能性が高い。

 ブルームバーグが入手したミシェルEU大統領(常任議長)の妥協案によれば、欧州委がEU全体を代表し借り入れによる資金調達を行い、2058年までの期間でEU予算から返済するという。

 リセッション(景気後退)で最も深刻な打撃を受ける主に南欧諸国の支援で断固とした対応を望む多くの加盟国と、財政規律を重視する欧州北部の国々が対立する中で、行き詰まり打開に向けた努力が17日の首脳会議開幕以降、続けられていた。(ブルームバーグ Viktoria Dendrinou、Nikos Chrysoloras)

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