海外情勢

米航空に自主退職の暗影 ユナイテッドは政府支援終了前に6000人が選択

 米ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスは21日、従業員6000人余りがコスト削減に向けた自主退職パッケージの受け入れを選択したことを明らかにした。同社は今月、3万6000人に対し、連邦政府の給与支援プログラムが9月末に打ち切りになり、雇用が脅かされる恐れがあると通知していた。

 「94年で最も厳しい」

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う需要急減からの回復の足取りが不安定な中、ユナイテッドは7~9月期の1日当たりの平均現金流出額を2500万ドル(約26億7000万円)に抑える方針だ。4~6月期は4000万ドルだった。

 この日発表した4~6月期決算は調整後損益が26億ドルの赤字となり、「94年の歴史で最も厳しい四半期」だったと同社は説明。1株当たりの赤字は9.31ドルと市場予想(9.18ドル)より悪かった。営業総収入は前年同期比87%減の14億8000万ドルで、アナリスト予想は12億7000万ドルだった。新型コロナの感染拡大を受け、旅客需要は3月と4月に激減し、米政府は250億ドル規模で航空会社の支援に動いた。

 ユナイテッドは手元資金を積み増しているところで、7~9月期末までに流動性は180億ドルを超えるとの見通しを示している。同社はパンデミックが始まってから161億ドルを調達しており、追加資金が必要な場合には、年内に連邦政府から45億ドルを追加で借り入れることができる。

 投資会社コーエンのアナリスト、ヘレーン・ベッカー氏は顧客向けのリポートで、「流動性についての説明はおおむね肯定的で、現況下における経営陣のかじ取りがうまくいっている証拠だ」と説明した。

 年初来で株価62%安

 パンデミックに発展した新型コロナの影響により旅客収入が大きく落ち込み、米航空各社は苦しい状況が続いている。デルタ航空は先週発表した4~6月期決算で、記録的な赤字を計上した。アメリカン航空グループとサウスウエスト航空は23日に決算を発表する。

 ユナイテッドは7~9月期の総座席数が前年同期の約35%にとどまりそうな中、増便に慎重な構えを崩していない。同社は歴史的に同業他社よりも国際線を多く就航しており、こうした数字は海外旅行の大幅な落ち込みを反映している。

 同社は「需要回復の兆しが見受けられるまで」フライト便の見直しとキャンセルを60日単位で継続すると説明している。

 ユナイテッドの株価は年初来62%急落。S&P500指数を構成する大手航空株の中で最大の下げとなっている。(ブルームバーグ Justin Bachman)

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