海外情勢

米航空“利益の源泉”消滅も CEO過半が回復見込まず

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で壊滅的な旅客数の減少に直面した米国の航空会社は、長い間利益の源泉として頼りにしていた出張目的の旅行の多くがこの危機で消滅するという、以前では考えられなかったシナリオに直面している。

 航空コンサルティング会社、アビタスのシニアバイスプレジデント、アダム・ピラルスキ氏は「出張がコロナ前の水準に二度と戻らない可能性は高い」と指摘する。

 業界団体エアラインズ・フォー・アメリカの試算では、出張は航空業界収入の6~7割を占める。米誌フォーチュンによれば、フォーチュン500企業の最高経営責任者(CEO)を対象に実施した調査で、自社の出張は新型コロナ前の水準には決して戻らないとの回答が半数を占めた。

 今回の危機に伴う変化は空の旅の落ち込みだけではない。かつてファーストクラス利用の出張費を負担してきた銀行やテクノロジー会社大手、法律事務所などは、出張の代替策としてデジタルツールを利用する機会を得ることになった。

 一般家庭やビジネスシーンでおなじみとなったビデオ会議アプリ「ズーム」のズーム・ビデオ・コミュニケーションズは先々週には時価総額が700億ドル(約7兆4500億円)超となり、米航空業界上位6社の合計を上回った。金融市場は明確な判定を下している。

 コンサルティング会社、アリックスパートナーズのマネジングディレクター、エリック・ベルナルディーニ氏は、ビデオ会議技術の向上で出張が最盛期の水準に戻る可能性は一段と低下すると指摘。顧客に直接会うニーズはなくなりはしないが、今後の出張人数や頻度には影響が出るだろうと述べた。(ブルームバーグ Mary Schlangenstein、Esha Dey)

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