海外情勢

中国銀で取り付け騒ぎ頻発、資金不足の噂 事実無根もSNS拡散

 中国で銀行取り付け騒ぎがかつてなかったほど頻発している。噂が会員制交流サイト(SNS)で拡散し、銀行に押しかけた預金者を説得するため、監督当局のみならず警察までもが介入する事態となっている。

 6月以降だけでも、預金を引き出そうと人々が銀行3行に殺到。資金不足を噂されたためだが、いずれのケースも事実ではなかった。河北省で起きた取り付け騒ぎを止めたのは警察だった。地元当局は金融機関の健全さを住民に請け合い、混乱の収拾を図った。

 中国では10億人を超える人々が預金口座を保有。昨年は約20年ぶりに銀行が接収され、何行かは救済措置を受けた。43兆ドル(約4550兆円)規模に上る世界最大の銀行システムに対する信頼感が低下しつつあり、国内経済の基盤を脅かしている。新型コロナウイルス流行と景気低迷は、既に揺らいでいる銀行への信頼を一段と悪化させている。

 中国国際金融(CICC)の張帥帥アナリスト(上海在勤)は「最近でもほとんど全ての事例で預金が保護されているにもかかわらず、銀行に預けておけば安全と考えていた中国預金者の認識が変わりつつある。こういうふうにいったん噂が広がれば、銀行にとって直ちに流動性リスクとなる」と述べた。

 中国人民銀行(中央銀行)は河北省で銀行の個人・法人顧客に大口の資金引き出しと預け入れを事前に報告するよう義務付ける制度を試験的に始めたばかりだったが、それでも同省でまた銀行取り付け騒ぎが起きた。

 期間2年のこの制度は10月には浙江省と広東省深セン市にも拡大される。企業は50万元(約755万円)を上回る取引が事前報告の対象。個人は10万~30万元からと、地域ごとに異なる。

 銀行保険監督管理委員会(銀保監会)は11日、銀行は不良債権の急増に見舞われていると再び警鐘を鳴らした。(ブルームバーグ Charlie Zhu、Jun Luo)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus