海外情勢

トランプ氏、苦渋の軌道修正 コロナ突然警告

 トランプ米大統領は世論調査で低く沈む支持率の回復を目指し、新型コロナウイルスに対する姿勢を軌道修正している。しかし、11月3日の大統領選まで残り100日となる中、トランプ陣営が流れを反転させるには単なる姿勢の変化だけでは不十分かもしれない。

 全米や激戦州危うく

 トランプ氏は全米規模や複数の激戦州での世論調査で、民主党候補指名を確実にしているバイデン前副大統領に大きなリードを許している。新型コロナ感染で米国の死者は14万6000人を超え、経済はリセッション(景気後退)に陥り、トランプ政権と共和党は困難に直面している。

 トランプ氏は先に、フロリダ州ジャクソンビルで来月開催を予定していた共和党全国大会を中止すると発表。同州は新型コロナによる死者が記録的水準に達しており、さらなる感染拡大を招く恐れがあった同大会の開催回避に胸をなで下ろす関係者もいる。ただ、共和党が党の結束とトランプ政権2期目に向けた動きを大々的にアピールする場は失われた格好だ。

 キニピアック大学の世論調査アナリスト、ティム・マロイ氏は、トランプ氏には「至る所に危険信号がある」と指摘する。同大が先に公表した世論調査では、2016年の大統領選でトランプ氏が辛勝したフロリダ州でバイデン氏が大きくリードしていることが示された。前回選挙でトランプ氏が9ポイント差で勝利を収めたテキサス州でも支持率でバイデン氏との差はなかった。

 トランプ氏は先週、新型コロナに関する記者会見を再開し、状況は良くなる前に悪化するだろうと突然警告を発した。そのわずか1週間前には、ウイルスは「いずれ」消えるだろうと述べていた。

 また同氏は今月に入り、選挙対策本部長の交代を発表。対面形式イベントの多くが中止となる中、フェイスブックでのオンライン「集会」も始めた。24日には処方薬価格の引き下げを目的とした新たな政策を発表した。

 訴える中身変わらず

 ただ、新たな行動の必要性を感じているように見える一方で、訴える中身に大きな変化は見られない。トランプ氏は多くの保護者や教師の意向に反して学校の再開を迫っているほか、「法と秩序」のメッセージを強化し、南北戦争で奴隷制維持を目指した南軍に由来する米軍基地の名称を変えることに反対している。

 一方、ギャラップの調査では、新型コロナの感染状況が悪化していると考える米国民の割合が73%となり、4月の調査開始以来で最も高い数字となった。また、AP通信が24日公表した世論調査では、失業した人の大多数は仕事が二度と戻ってこないと考えていることが分かった。(ブルームバーグ Josh Wingrove)

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