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大阪市が全ての行政手続きオンライン化へ 令和7年度までに進める

 大阪市が令和7年度までに原則すべての行政手続きを、自宅などからパソコンやスマートフォンで完了できるオンライン化を進める方針であることが28日、市関係者への取材で分かった。全国に先駆けて8月から段階的に進め、今年度中に約200の手続きをオンライン化する。新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、来庁不要の取り組みを加速させる意向だ。

 市が今年度中にオンライン化を進めるのは、住民票の写しの交付請求▽こども医療費助成資格認定の申請▽要介護・要支援認定の申請-など約200手続きの申請から決済まで

 5年度までに市民や事業者を対象とする計約600の手続きに拡大。7年度までに、法的にオンライン化が不可能なものを除き、計約1500の行政手続きすべてのオンライン化を実施する計画を立てている。

 昨年12月には、行政手続きを原則オンラインでできるようにするデジタル手続法が施行されている。行政の効率化と住民の利便性の向上が狙いだが、民間企業に比べ、押印が必要だったり、対面で確認したりする行政の現場ではなかなか浸透していない。

 総務省によると、地方税申告手続きなどオンライン化の促進対象とする21の手続きですら、実施している割合は平成30年度、52・6%の自治体にとどまる。

 こうした中、新型コロナウイルスをめぐり一律10万円を配る特別定額給付金では、手続きのため市民が役所に詰めかけた。「3密」の状態が続く事態となり、オンライン化の必要性がより浮き彫りとなった。

 大阪市では申請側の誤記入が多発した状況を受け、8月から始まる新システムでは、誤記入を防ぐ機能を強化する。担当者は、「市民は区役所に来る手間や待ち時間が減り、職員は業務の効率化につながる。コロナで行政のオンライン化の必要性が一層増しており、大阪市が先駆けとなりたい」と話した。

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