海外情勢

バイデン氏が政策で人種間の格差是正強調 FRBに報告義務付け

 11月の米大統領選挙で民主党候補指名を確実にしているバイデン前副大統領は28日、人種間の経済格差是正を目的とした一連の政策を発表した。黒人、ヒスパニックらの「マイノリティー」(社会的少数者)の差別解消に取り組む姿勢を打ち出すことで、白人保守層を支持基盤とするトランプ大統領との違いを強調する狙いだ。

 人事に多様性促す

 バイデン氏は連邦準備法の改正を通じ、人種間の経済格差やその是正に向けた政策に関する報告を米連邦準備制度理事会(FRB)に義務付けたい考えだ。

 同氏はデラウェア州ウィルミントンで行った演説で、連邦準備制度の責務について、現行の雇用最大化と物価安定に加え、「雇用や賃金、資産をめぐる根強い人種間格差を積極的に目標対象とすべきだ」と述べた。

 演説に先立ち公表された政策集でバイデン氏陣営は、米金融当局が既に発表した即時決済システムへの移行を支持することも明らかにした。同システムは低所得者層に決済手段の柔軟化をもたらすとみられる。

 バイデン氏はFRB幹部などの人事について人種の多様性を考慮すべきだとも提言した。同氏の側近によると、バイデン政権になれば、FRBの理事や議長の指名を含むあらゆる人事で人種の多様性が重視される可能性がある。

 FRB理事は目下、全員が白人となっている。理事ポストは正副議長を含め7人で、現在2人が空席になっており、トランプ大統領が指名した2人の理事人事は上院本会議の承認待ちの状態にある。

 FRB当局者はこれまで、金融政策の選択がマイノリティーに及ぼすさまざまな影響にあまり注意を向けず、経済全体に与える影響を重視してきた。イエレン前議長時代に定例政策決定会合でそうした格差を明らかにし、議会への報告書に当該情報を盛り込むようになり、そうした慣行はパウエル現議長の下でも続けられている。

 ただパウエル議長は、FRBの政策が不平等を助長するものではないことは「間違いない」と主張している。

 失業率2倍の水準

 黒人やヒスパニックの失業率は引き続き高水準にあり、しばしば全米水準の2倍に達する。

 人種間平等の政策は、バイデン氏の経済計画の締めくくりに当たるだけではない。景気低迷や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)、白人警官の暴行による黒人男性の死亡事件への抗議運動で浮き彫りになったアフリカ系米国人と白人の間の経済格差への有権者の関心が高まっていることへの対応にも役立つ。

 同氏は黒人有権者からの圧倒的支持を得ているが、若年層アフリカ系米国人から十分な支持を引き出し、トランプ氏を上回る票を得られるかどうかが懸念されている。(ブルームバーグ Jennifer Epstein)

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