海外情勢

カンボジア、教育機関の活動再開手探り 水際対策強化で一部に許可

 カンボジア政府はこのほど、新型コロナウイルス感染予防のため3月から休校していた国内の教育機関の一部について、8月からの再開を許可した。ただし、これは再開の「第1段階」で、新型コロナ感染予防策を高い水準で実施していると認められた20校に限られている。プノンペン日本人学校も今回の再開校に含まれた。

 地元紙の報道によると、20校はプノンペン、シエムレアプ、バタンバンの学校で、多くはインターナショナルスクール。今後、各校が教育省との間で、「1つの教室に15人以上は入れない」など感染予防策の徹底について確約する合意書を交わすという。3月からの休校で、リモート授業は実施されていたものの、一部の学校ではその管理は難しく、子供たちの教育機会が損なわれていた。また、授業料の高いインターナショナルスクールでは保護者と学校が休校期間中の授業料支払いをめぐって対立するといった事態も起きており、学校側は政府に対し、早期再開を強く求めていた。

 国内の市中感染なし

 カンボジアでは7月末現在、国内で感染が確認された人は234人で、死者はいない。また、234人のうち多くが外国人や外国で感染したカンボジア人、または彼らとの濃厚接触者とみられ、感染経路不明者が多く出る市中感染はまだ確認されていない。しかし医療人材や設備が不足しているカンボジアでは、ひとたび市中感染が起きれば医療崩壊に至ることは明らかだ。このためカンボジア政府は、感染が国外から持ち込まれることに強い危機感を持ち続けている。

 特に7月になって、中東やロシアから、マレーシアやインドネシアを経由してカンボジアに帰国したカンボジア人に多くの感染者が確認されたため、カンボジア政府は8月1日からマレーシアとインドネシアからの入国を禁止することを決めた。カンボジア政府保健省によれば、6月20日から7月25日までの間、マレーシア、インドネシア両国から到着した2万3000人余りの乗客から108人の感染者が確認された。カンボジア政府は、入国を希望する外国人全てに出発国でのPCR検査による陰性証明の提示を求めているが、帰国するカンボジア人についてはこれを求めていない。そのため、カンボジア到着時に全員が受けるPCR検査で判明するケースが相次いでいるのだ。

 しかし水際の防疫策について、カンボジア政府はジレンマを抱えている。内戦後初めての「マイナス成長」と予想される経済への影響だ。外国直接投資を経済成長の柱の一つと位置付けてきたカンボジアにとって、外国人ビジネス客が自由に往来できない状態は致命的ともいえる。

 映画館も閉鎖解除へ

 そこで政府は、マレーシアとインドネシアからの入国を禁じる一方で、外国人ビジネス客を対象に、入国条件を一部緩和する方針を打ち出した。入国72時間以内にPCR検査で得た陰性証明書の提出や、到着時のPCR検査などは変わらないが、この検査や隔離、治療費などに充てる目的で全ての外国人客から徴収していた3000ドル(約31万円)のデポジットや、滞在期間をカバーする5万ドルの医療保険は、カンボジア政府に登録された企業や団体の関係者に限り免除される方針だ。

 また、国内の経済・社会活動は徐々に再開されており、3月半ばより休業命令が出ているバーやカラオケなどについては「レストラン」として政府に再登録することで営業再開が許可された。7月下旬には、屋外でのスポーツ活動の再開を許可。また、地元紙の報道によると、映画館についても感染防止策をまとめたうえで間もなく営業再開を許可する見通しだという。ただし、マスクの着用、体温測定、手指の消毒、座席間隔をあけるなどの感染予防策の徹底を求め、従わない店舗や施設は一時的に閉鎖を求めるという。(カンボジア日本語情報誌「プノン」編集長、木村文)

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