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新興国の感染対策小ぶり 政府債務は拡大

 新型コロナウイルスによる経済の落ち込みに対し、世界では医療体制の強化、雇用・生活支援、企業に対する給付や信用保証などの大規模対策が講じられている。各国の対策規模を国内総生産(GDP)比でみると、独は3割超、日仏は2割、米国は15%程度に達するが、新興国では1割以下にとどまる国が多く、先進国に比べて小ぶりとなっている。

 しかし、国際通貨基金(IMF)は、6月中旬に世界の新型コロナ対策にかかる財政措置が既に10兆ドル(約1046兆円、世界GDP比11.5%)に達し、一段の強化が必要だと指摘した。感染は、中南米や南アジアなど新興国を中心に拡大しており、一層の財政出動が強いられる可能性がある。

 財源の面では、世界的な景気悪化によって税収が大きく減少しており、対策を抑えてきた新興国でも借り入れが拡大している。3月に混乱した金融市場が大規模緩和によって安定し、金利が大きく低下するなど、起債環境が改善したことも、信用力の乏しい新興国の債務拡大を容易にしている。

 しかし、今後は景気回復の遅れを背景に、金融市場が混乱する可能性があるほか、いずれは新型コロナからの回復を踏まえた金融引き締め局面を迎える。

 リーマン危機後の低金利局面では民間部門を含めて新興国債務が拡大しており、高水準の債務が削減されなければ、資金流出・通貨下落に伴い、新たな債務危機も懸念となってこよう。(編集協力=日本政策投資銀行)

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