海外情勢

米国人、コロナワクチン接種は最短でも来春 専門家らは楽観戒め

 最も楽観的な予想が的中し、米国で11月に新型コロナウイルスワクチンの使用が許可されたとしても、大多数の米国人は早くても来年の春か夏まで接種を受けることができない見通しであることが、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長ら有力な専門家らのインタビューで明らかになった。

 ファウチ氏はホワイトハウスの新型コロナ対策タスクフォース(作業部会)のメンバーで、ワクチンプログラム「ワープ・スピード作戦」にも関与している。同氏はインタビューで、ワクチンが多くの一般市民に届くのは2021年に入ってからになる可能性があると述べた。

 ファウチ氏は「21年後半に入ってしばらくたった頃には、各社が約束した何億回分ものワクチン投与が実現されていると期待している」と述べた。

 これには多くの理由がある。通常の安全性・有効性データのうち、米保健当局が入手できるのはわずかとなる見通しだ。有力な製品は2回の投与を必要としているため、初期の供給分がわたる人数が限られることになる。また、保健当局は接種の対象者や割り振り、効果や安全性を後に追跡する方法について、なお策定中だ。

 ワクチン開発で先行する企業の一つである米バイオテクノロジー会社モデルナのバンセル最高経営責任者(CEO)は「3カ月から6、9カ月間はワクチンを望む人の数がワクチンの数を上回るだろう」と述べた。

 バンセルCEOはインタビューで、米食品医薬品局(FDA)から「極めてリスクが高い非常に限られた人」を対象とした緊急使用許可(EUA)を獲得する可能性があるが、一般市民向けのワクチンはFDAの全面的な承認が必要となるため、時間がさらに大幅にかかる公算が大きいと指摘した。

 ファウチ氏やバンセル氏が言及した時期は、トランプ米大統領が描くスケジュールと矛盾する。大統領は先週のラジオインタビューで、新型コロナワクチンが「年末よりも早い時期に提供される可能性がある」と語り、米大統領選の投票日である11月3日ごろになるかもしれないとした。

 週明け10日にも「年末までにはワクチンがあると確信している」とワシントンで改めて発言した。(ブルームバーグ Anna Edney、Josh Wingrove)

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