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職住体験提供で地方移住を支援 香川・三豊市「瀬戸内ワークス」

 香川県三豊市のベンチャー企業「瀬戸内ワークス」が、地方移住に関心を持つ人に一時的な住まいと週末の仕事を提供する新たな事業を始めた。リモートワークで仕事を続けながら三豊での暮らしが体験でき、就職や起業の機会も探れる。市も「人材を呼び込むきっかけに」と期待する。

 同社の原田佳南子代表(36)は2年前、東京から人口6万人余りの三豊に単身、飛び込んだ。うどんを打てる宿泊施設をゼロから立ち上げた経験から「ある程度、職住の環境が整っている方が挑戦しやすい」と考えた。

 鏡のような水面が南米のウユニ塩湖に似て美しい「父母ケ浜」近くに共同生活用の住居を用意、月4万5000円で提供する。複数の地元企業と提携し、カフェのアルバイトなど週末の仕事も用意した。新型コロナウイルス対策にも万全を期す。

 提携企業の一つ「荘内半島オリーブ農園」を経営する真鍋貴臣さん(45)は、小さな商店が後継者不足で次々と廃業するのを見てきた。「週末の仕事を足がかりに、地域の商売の担い手になってほしい」と話す。

 瀬戸内ワークスは、三豊で起業を考えている人のため、9月から専門家によるオンライン講習会も始める。事業環境とニーズの把握を目指す1泊2日の現地ツアーも組む予定だ。

 市産業政策課の溝端直毅課長補佐(35)も「観光客は増えているが、サービスを提供する事業者が足りない。その溝を埋める取り組みになるのでは」と期待を寄せる。

 原田さんは地元企業と都市住民の橋渡しが自分の役割と捉える。だが、まだまだ試行錯誤の連続だ。「ないものは作る。誰かの責任にしない。自分の人生を生きる。そんな仲間に出会えたらうれしい」と前向きな人の応募を待ち望んでいる。

 問い合わせは瀬戸内ワークス、(電)0875・89・1362。

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