専欄

中国共産党の次期党大会に向けて 出始める新しい「指導部人事予測」

 元滋賀県立大学教授・荒井利明

 2022年秋に開催予定の中国共産党の次期全国大会(第20回党大会)まで、2年余りとなり、一部メディアでは新しい指導部人事に関する予測などが出始めている。

 世界はコロナ一色の様相を呈しているが、中国の政治は8月上旬の恒例の北戴河会議(現役とOBの指導者による非公式協議の場)を終え、10月の党中央委員会総会(5中総会)、そしてその先にある党大会に向けて大きく動いている。

 5中総会の主要議題は来年からの第14次5カ年計画と35年までの長期目標である。習近平は17年秋の前回党大会で、(1)20年に「小康(ややゆとりのある)社会」の全面的な実現(2)35年に社会主義現代化を基本的に実現(3)建国100年の今世紀半ばに社会主義現代化強国を実現-という3段階発展構想を提起した。新5カ年計画も長期目標も、発展構想の第2、第3段階の実現に向けた重要施策である。

 習近平時代の前の胡錦濤時代、江沢民時代には、党大会の2年前となれば、いやそれよりも早く、党大会で選出される指導部人事の骨格は見えていた。それは明示的な規定はなくとも暗黙の了解事項とでもいうべき一定のルールがあったからで、例えば、その一つは「七上八下」である。これは最高指導部を構成する党中央政治局常務委員は党大会時の年齢が67歳以下であれば留任、68歳以上であれば離任というものである。

 前回党大会では留任説もあった69歳の王岐山は常務委員に留任せず、ルールは維持されたかに見える。だが、次期党大会でもこのルールが順守されるとはかぎらない。

 次期党大会の時点で、首相の李克強は67歳だが、習近平は69歳である。ルールが維持されれば、李克強は常務委員に留任、習近平は離任となるが、いずれも留任するだろうとの見方が強い。国家主席の3選禁止規定が憲法から削除されたこともあり、習近平は総書記兼国家主席に留任するとみられている。「米中関係が厳しいから」「トランプやバイデンはもっと高齢」など、理由はいくらでも見つかる。

 首相は2期10年までという憲法規定があるため、李克強は李鵬の前例にならって全国人民代表大会常務委員長に転じるだろう。新首相の有力候補は、副首相で貧困問題を担当している胡春華である。現在57歳で、年齢的にも2期10年務めることができる。(敬称略)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus