海外情勢

中国厳戒で食品供給国は混乱 感染懸念、一部輸入停止も確証なし

 国境を越える新型コロナウイルス感染が食品を介して広がる可能性は小さいとみられる一方で、輸入食品からウイルスが見つかったとの報告もあり、2200億ドル(約23兆2000億円)に上るコールドチェーン(低温物流)業界が感染拡大に関与しているのかどうかをめぐり不透明感が強まっている。

 中国では幾度となくパッケージや食品にウイルスの痕跡が見つかったと発表され、北京と遼寧省の港湾都市、大連での最近の感染再拡大が輸入食品に関連しているのではとの懸念が広がる。

 広東省広州市のコールドチェーン協会は加盟各社に対し新型コロナが広がっている地域からの冷凍肉・海産物の輸入を停止するよう指示。中国が食品のウイルス検査を6月に始めてから最も厳しい対応で、決定的な証拠がないまま予防的な措置が講じられたことで、貿易相手国は大きな混乱に見舞われている。

 同省深セン市は先に、ブラジルから輸入した鶏手羽肉のサンプル検査で新型コロナが見つかったと発表。香港もまたそのブラジル工場からの輸入を停止した。

 102日間にわたり国内での感染が確認されなかったニュージーランドでは8月第3週に、新たなクラスター(感染者集団)が突然発生。最初に陽性と判定された感染者が同国最大の都市オークランドのコールドチェーン関連施設で働いていたことから、当初は食品からの感染も疑われた。

 だがニュージーランド保健当局のアシュリー・ブルームフィールド氏は18日、同施設に対する環境検査の暫定結果で低温に保たれた輸入品の表面が感染経路だとの考え方は間違いであることが示されたと説明。「詳細は最終報告に委ねるが、今回の検査でそうした可能性は排除されつつあるのは明らかなようだ」と述べた。

 世界保健機関(WHO)の葛西健・西太平洋地域事務局長は同日のオンライン記者会見で、「理論上はあり得るが、われわれの観察、あるいは、疫学に基づく過去7カ月の証拠からすれば、これまでのところ可能性は低い」と語った。(ブルームバーグ Jason Gale、Dong Lyu)

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