数字から見えるちば

梨の産出額日本一 「3密」避け、旬の味覚楽しんで ちばぎん総研主任研究員・高城華楠

 8~9月にかけて、梨が旬の季節を迎えている。千葉県は、梨(日本なし)の年間産出額が全国1位(131億円)で、2位の茨城県(61億円)以下を大きく引き離している。

 千葉県の梨は、(1)大消費地に近く完熟直前に収穫し出荷できるため、味の良い状態で販売できること(2)千葉県に多くみられる火山灰土壌が、水はけの良さなどから梨の栽培に適していること(3)江戸時代から続く長い歴史の中で、栽培技術が蓄積・向上されてきたこと-などの特徴があり、消費者の高い支持につながっている。

 県内地域では、白井市、市川市、鎌ケ谷市、船橋市などの近東地域で特に多く栽培されており、地元では旬になると地元農家による梨の直売やもぎとり体験(観光農園)などがよく実施されている。

 このところ、県内の梨農家にとっては厳しい状況が続いてきた。昨年9月の台風15号では、千葉市で最大瞬間風速57・5メートル(過去最大)を記録し、県内全域に甚大な人的・物的被害が発生したが、梨農家においても、果樹園を守る多目的防災網の破損や、収穫前の落果などが発生し、作物被害額は約12億円に上った。

 また、昨今の新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の影響により、観光農園の利用客減少が懸念されるほか、白井市では毎年開かれている「白井梨マラソン大会」(「給梨所」で地元の梨を楽しめるマラソン大会)が中止となるなど、イベントにも悪影響が生じている。

 こうした状況下であるが、県内の産地からは今年も7月下旬から順調に出荷が行われており、10月頃までさまざまな品種の梨を楽しむことができる。

 営業する観光農園では、従業員や来園者の体調確認、消毒液設置、グループごとのエリア分け、グループ間の十分な間隔の確保などで、感染リスクを減らして楽しむことが可能だ。旬の味覚を、季節とともに楽しみたい。(寄稿)

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