国内

自治体が保育士に慰労金 政府対象外で独自支給「勤務感謝」

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、勤務を続けた保育士など児童関係施設で働く人に独自の慰労金を支給する自治体が増えている。政府は医療従事者や介護施設、障害福祉施設の職員に慰労金を給付するものの、児童関係職種は対象から外れた。自治体からは「介護職らと同様に感染リスクを抱えながら勤務を続けていることに感謝する」との声が上がる。

 支給対象や方法、金額は自治体によって異なり、慰労金や応援金などの名目で支給を決めている。山形県は保育所、放課後児童クラブ、幼稚園、児童養護施設などで働く約1万3000人に1人5万円を支給する。担当者は「感染リスクがゼロではない中、子供の居場所を確保してもらった」と話す。

 岡山県倉敷市は保育士らに1人最大5万円を支給。6月末の発表後、全国の自治体から問い合わせがあったという。大阪府河内長野市も約900人に市内で使える商品券2万5000円の配布を決めた。

 愛知県は職員そのものへ支給するわけではないが、保育所など児童関係の施設に応援金として10万円を給付。同県あま市は10万円、名古屋市は5万円それぞれ上乗せする。名古屋市の「けやきの木保育園」の平松知子園長は同市と愛知県の応援金を申請した。「賃金が減った非常勤職員に何らかの形で支払えないか検討中」という。

 厚生労働省によると、児童福祉施設ではこれまでに約40件のクラスター(感染者集団)が発生した。政府は慰労金の対象を医療機関、介護、障害の施設に限った理由を「重症化リスクが高い人に継続的にサービスを行っている。子どもの重症化リスクは必ずしも高くない」(加藤勝信厚労相)と説明する。

 保育現場で働く人たちの労働相談を受ける「介護・保育ユニオン」の三浦かおり共同代表は「自治体の取り組みは評価できるが、本来は国が慰労金を出して、自治体はあくまで上乗せとなるべきだ。確実に保育士の手に渡るようにしてほしい」と話している。

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