海外情勢

米共和案は「詐欺的」と批判 下院議長は規模縮小の刺激策認めず

 米上院共和党のマコネル院内総務は8日、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済を支援する追加景気対策について、従来案から規模を縮小した法案を提出すると表明した。これに対し、民主党のペロシ下院議長は同案を「詐欺的」と批判した。

 新たな共和党案は、約1カ月前に公表した1兆ドル規模の案の一部を残し、5000億~7000億ドル(約53兆~74兆2000億円)規模となる見込み。財源の一部には、連邦準備制度のプログラムを支援するための予算の余剰金が充てられる。しかし、民主党が目指す2兆2000億ドル規模の景気対策とは大きな隔たりがある。共和党案は10日に採決される見通し。

 マコネル氏は上院本会議場で、「われわれは超党派合意が可能なところで一致したいと考えている。追加支援を取りまとめ、残りについては協議を続けたい」と述べた。規模を縮小した景気対策案は、「超党派合意が特に可能と考えられる」失業給付上乗せの復活と、中小企業支援の延長に重点が置かれる。

 ペロシ議長はブルームバーグ・テレビとのインタビューでマコネル氏の案について、「正しいことを目指す試みですらない」と発言。「米国には極めて多くの失業者がおり」、十分な景気刺激策が必要だと主張した。

 ペロシ氏とシューマー民主党上院院内総務はこの日先に出した共同声明で、共和党案は11月の議会選挙で再選が危ぶまれている現職議員を援護することが目的の「最低限」の取り組みだと指摘していた。共和党単独では議事妨害を乗り切るために必要な60票に足らないため、民主党は審議を阻止できる。

 共和党が8日午後に公表した景気対策案には、週300ドルの失業給付上乗せや学校向けの1050億ドル、米郵政公社助成金100億ドル、中小企業の給与保証プログラム(PPP)向けの2580億ドル、ワクチン・検査予算470億ドルのほか、新型コロナをめぐり企業や学校などを訴訟から守る免責条項が盛り込まれた。

 一方、トランプ大統領が行いたいとしていた1人当たり1200ドルの個人給付のほか、民主党が重視している州・地方自治体支援は含まれていない。また航空会社への追加支援も除外された。

 メドウズ大統領首席補佐官はこの日、世論の圧力によって議員らは今後2週間以内に妥協を迫られることになるだろうと楽観的な見方を示した。同氏は規模を縮小した景気対策は、今後の支援策にとっての「土台」になり得ると述べた。(ブルームバーグ Erik Wasson)

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