海外情勢

運用大手が米政権の計画に反発 ESG投資抑制、化石燃料産業の圧力示唆

 世界の大手資産運用各社は、ESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮した年金基金の運用を困難にしかねないトランプ政権の計画に反発している。

 フィデリティ・インベストメンツは米労働省に宛てた11ページの書簡で、ESG投資戦略がリターンを犠牲にし、リスクを増大させ、業績に無関係の目標を掲げているとの想定は、「十分な根拠も、多くの最新データによる裏付けもない」と指摘。ブラックロックは「行き過ぎた規制だ」と批判した。このほかステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズやパトナム・インベストメンツなども計画に反対している。

 米労働省は6月、1974年の従業員退職所得保障法(エリサ法)を変更し、年金や確定拠出型年金(401k)プランの運用事業者がいわゆる非金銭的目標よりも経済的利益を常に優先するよう義務付ける新たなルールを提案。特にESG投資に焦点を絞っている。

 同省はそれ以前、年金基金のエネルギー部門への投資状況を検証するようホワイトハウスから指示されていた。化石燃料業界を主要な支持基盤に持つトランプ大統領は、気候変動対策に懐疑的な見解を幾度も示し、地球温暖化と地球への影響について広く受け入れられている認識を「でっち上げ」と呼んでいた。

 持続可能な投資事業を推進するUS・SIFの政策・プログラム担当ディレクター、ブライアン・マクガノン氏は「化石燃料産業などからの圧力が労働省の提案の背景にある可能性が最も高い」と指摘。「金融サービス業界に由来するものでないのは確かだ」と述べた。(ブルームバーグ Tim Quinson)

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