海外情勢

バイデン氏、海外に事業移管で「懲罰税」 国内雇用創出を促す

 米大統領選の民主党候補バイデン前副大統領は9日、米国外に事業を移管する企業に「懲罰税」を上乗せし、米国内で雇用を生み出す企業には税額控除を行う案を発表した。米企業の国内回帰を促し、新型コロナウイルスで落ち込んだ米経済を回復させる狙いがある。

 バイデン氏は同日ミシガン州で遊説を開始。2016年大統領選で民主党は同州で僅差で破れており、今年は勝たなければいけない州だ。

 バイデン氏には、経済問題に対する新たな攻勢に出ることで激戦州での支持を集める狙いがある。

 バイデン氏が同日発表した海外生産に対する懲罰的な税制案によると、連邦法人税率を28%に引き上げ、この上で米企業が海外生産品を米国で販売したときに得た利益に10%を追加課税する方針を示した。これにより、合計の税率は30.8%と重くなる。海外に拠点を置き、米国でサービスを提供しているコールセンターなどサービス部門も同税の対象となる。

 一方で、バイデン氏は米国内で雇用を創出する企業に10%の税額控除を行うことも表明。閉鎖した施設の復元や設備更新、海外からの生産拠点や雇用の回帰などが対象となる。最大10万ドル(約1061万円)までで、製造業の従業員の賃金をコロナ前の基準以上に引き上げた企業にも適用される。

 このほか、米企業の国外利益に対する「ミニマム税」を現行の2倍に当たる21%に引き上げる方針も示した。また、国ごとにミニマム税を課すことで租税回避行為を防止する考えとしている。

 最近の世論調査は経済問題に関するバイデン氏の支持率が改善していることを示している。経済問題は同氏がトランプ氏に後れを取っている唯一の政策分野だった。

 しかし、複数の新たな世論調査では、経済運営で有権者が誰を信頼するかとの質問について、バイデン氏の支持率はトランプ氏と互角か1ポイント以内に迫っている。

 今回の懲罰税について、ノーザン・トラストのチーフエコノミストであるカール・タネンボーム氏は「他の管轄区に事業を移すだけの柔軟性がある多国籍企業への門戸を閉じようとしている」と指摘した。(ブルームバーグ Jennifer Epstein)

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