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菅新総裁会見(1)圧勝した勝因「地方出身で、地方の現場をよく知っている」

 自民党総裁選を制した菅義偉官房長官は14日、党本部で新総裁の就任会見に臨んだ。会見の全文は以下の通り。

 「改めまして、先ほど自民党総裁に就任をいたしました菅義偉あります。どうぞよろしくお願い申し上げます。私は高校まで秋田で育った農家の長男坊であります。地縁血縁のない私が政治の世界に飛び込んで、まさにゼロからのスタートでありましたけども、歴史と伝統のある自由民主党、その総裁に就任をさせていただける、そうしたことは、まさに民主国家日本の一つの象徴でもあるのかなというふうに思います」

 「私自身、横浜の市会議員を2期8年経験をしてます。まさに現場に耳を傾けながら、そして何がおかしいのか、そうしたことを一つ一つ見極めて仕事を積み重ねてきました。自由民主党総裁に就任した今、まさにそうしたおかしな部分があれば、徹底して見直しをし、この日本の国を前に進めていきたいと思います」

 「まあ、そういう中で、やはり役所の縦割り、さらに既得権益、そしてこの前例主義、こうしたものを打倒して規制改革をしっかり進めていきたい。このように思ってます。そして、国民のために働く内閣というものを作っていきたい。その思いで、自由民主党総裁として取り組んでいきたいというふうに思っております」

 「私自身は内閣官房長官として7年8カ月、安倍晋三首相のもとで日本経済の再生、そして外交安全保障の再構築、さらには全世代型社会保障制度の実現など、まさに重要課題に取り組んできました。そしてこの新型コロナウイルス問題、安倍首相が陣頭指揮を執っていたのでありますけれども、病気のために道半ばで、安倍首相が退かれることになりました。そのときに、私自身、まさに悩みました」

 「それはコロナウイルスの感染が拡大される中で政治空白は作っちゃならない。そして、国民の皆さん一人一人が、安心をして安定した生活を取り戻す、そのためには、この危機を乗り越えていくためには、安倍首相の中で取りまとめてきたコロナ対策とか、そうしたものを実行に移さなければならない。私自身、熟慮に熟慮を重ねて出馬に踏み切ったわけでありますけれども、そういう中で、今日、総裁選によって就任をすることができました。私自身の政治に対する基本的な姿勢は、このような姿勢でありますので、ぜひ皆さんにもご理解をいただく中で、日本の国を前に進めていきたい。よろしくお願いもう上げます」

--総裁選に圧勝した勝因は何か。今後の政権運営で、支持を受けた派閥の意向に左右されないか。選挙戦では、「森友・加計学園」や首相主催の「桜を見る会」問題などの追加的対応に否定的だった。今回の総裁選のあり方は党員や国民に理解を得られたか

 「まず、今回のこの総裁選で、今日両院議員総会で発表されましたように、圧倒的大多数の支持のもとに就任をさせていただいたというふうに思ってます。そして私を支持をしていただいた大きな理由として、やはり私自身が地方出身で、地方の現場をよく知っている。ふるさと納税を総務相のときに現に作ったことや、そうした地方の発展のために、インバウンドで、地方の特産品を全部免税品にしたとか、あるいは農業も技術に力を入れ、政権交代をして4500億円から9000億円になって、農林水産品も海外に出始めたとか、そうしたことがかなり浸透し始めてきてるなっていうことがあります」

 「それと私、市会議員を2期8年横浜で経験しました。地方議員の人たちが今回一生懸命に推してくださったというふうにも思ってます。そういうことがあって、私自身にこの票が集まってきたのかな、というふうに思います。それと、やはり先ほど冒頭申し上げましたように、まさに政治空白は作っちゃならない。コロナ対策をちゃんとやってほしい。そして、経済もしっかり再生してほしい。まさにこの両立というものを多くの皆さんが今、望み始めてきたのではないかなというふうに思ってます。そうしたことが相まって、私の大きな勝利につながったのではないかなというふうに思います。いずれにしろ、こうしたことをしっかりこれからもやり遂げていきたいというふうに思ってます」

 「また、派閥でありますけれども、私は派閥に入ってません。で、私自身、この総裁選へ出馬する決心をしたのが、一番遅かったと思います。先ほど申し上げましたけど、首相が病気のために退かれる。そうしたときに、このコロナ対策、そして、私は(観光支援策)『Go Toキャンペーン』なんかも主導してましたので、経済対策、そうしたことを実行に移す人間。私まさに悩みに悩んだんですけど、やはりこれは私がやらなきゃならないと、そういう判断をしました。そうした極めて困難な状況にはやはり、党内の国会議員の皆さんが官房長官として7年8カ月仕事をしてきてますんで、菅がやはり一番適任じゃないかなという、こういうふうになってきたんじゃないでしょうか」

 「私は、ですから、派閥の人からもいろんな意味で、左右されて、私、冒頭申し上げましたけど、まさにこの縦割り、あるいは既得権益、そしてあしき前例主義を、こうしたものを打ち破っていくのが私の仕事でありますから、そう思ってますので、そうした派閥の皆さんの弊害っていうことは、私は全くない。ただ、政策を説明をさせていただいて、大きな数を今日いただきましたんで、安定して自分の目指す政治を行っていける、そういう環境は整ってきたのではないかなというふうに思います」

 「また、森友、加計、桜ですか? について、安倍政権においては、さまざまなご指摘を受けております。そういう中で、客観的におかしいと思ったことについては、正していかなければならないというふうに思いますし、国民の皆さんに、何事も丁寧に説明をすることも大事だというふうに思います。その上で、成果を出して、国民の理解をいただく。そうした対応をしっかり行っていきたいというふうに思います」

=(2)に続く

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