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「車内に子供」3割経験と気の緩みも… 15分で暑さ指数が「危険」に

 高松市で車内に置き去りにされた女児2人が死亡しているのが3日に見つかった事件は、10日で発覚から1週間。保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された母親の無職、竹内麻理亜容疑者(26)=同市=は2人を車内に長時間放置していたことを認め、「1人で酒を飲みに行った」と供述しているという。なぜ子供を車に長時間放置する危険な行動を取ったのか。車内に放置する行為をめぐっては、暑い時期では短時間で車内が高温に達するとのテスト結果もある。日本自動車連盟(JAF)の調査では約3割が「子供を車内に残したことがある」と回答、気の緩みもうかがえる。専門家は「事故は誰にでも起こりうる」と警告する。

 「短時間でも子供を車内に放置してはならない」。こう話すのは、東京都立多摩総合医療センターの清水敬(けい)樹(き)救命救急センター長。清水氏によると、夏場に冷房が効かない車内にいれば、20代の健康な男性でも熱中症になる危険性がある。「子供だとさらに危険だ」(清水氏)。子供は体温調節機能が未発達で脱水症状に陥りやすいといい、清水氏は「絶対に車内に放置してはならない」と力を込める。

 車内に子供を放置することが危険だというデータもある。

 JAFが平成24年8月に実施したテストでは、外の気温35度の状況で車の窓を閉めエンジンを停止すると、わずか15分で暑さ指数が「危険」に達した。窓を閉めた黒色のミニバンの車内の平均温度は1時間で50度を超えることも判明。サンシェードや窓開けといった対策をしたとしても、温度の抑制効果は低かった。

 また、JAFがドライバー約7千人に子供の車内事故について尋ねた(23年1月公表)ところ、28・2%が「子供を車内に残したまま車を離れたことがある」と答えた。「子供が寝ていて数分で終わる用事だった」「チャイルドシートをするのが面倒だった」などの理由が挙げられていた。

 子供が車中に残され、死亡する事故は各地で起きている。

 富山市では昨年8月、駐車場の車内で生後11カ月の乳児が衰弱状態で見つかり、その後死亡。「記憶がなくなるほど酒を飲み、降ろし忘れた」と供述した20代の母親は重過失致死罪で有罪判決が言い渡された。

 大阪市では平成28年、当時1歳の男児が車内に約10時間半放置され熱中症で死亡した。保護責任者遺棄致死罪で起訴された母親と交際相手の男は公判で、2人でホテルに行くために男児を車内に置き去りにし、死亡させたと認定された。

 ただ、新潟青陵大学の碓井真史(まふみ)教授(社会心理学)は、子供の車内放置は虐待や育児放棄(ネグレクト)といった状況下に限らず「誰にでも起こりうる」と指摘。ヒューマンエラー(人為的ミス)に起因するケースもあるとして「必ずしも『愛情の有無』で解決できる問題ではない」という。

 海外ではラジオやポスターなどを活用し、子供の車内放置をやめさせる啓発活動があるといい、「日本でも、どんな親の元でも起こりうる社会全体の問題として注視すべきだ」と話した。

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