海外情勢

アジア58年ぶりGDP減か ADBがマイナス0.7%と予測下方修正

 アジア開発銀行(ADB、本部マニラ)は15日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年の日本など一部先進国を除いたアジア太平洋全体の域内総生産(GDP)成長率がマイナス0.7%になるとの見通しを発表した。インドなど新興国を中心に経済再開が遅れていることが響いた。実際に成長率がゼロを下回れば、マイナス0.1%だった1962年以来、58年ぶりとなる。

 4月時点で予測していた2.2%を6月に0.1%に引き下げたが、さらに下方修正した。新型コロナによる経済活動停滞のほか、米中対立の激化もリスクに挙げた。

 2021年には6.8%に持ち直すと見込んだが、V字回復よりはL字形になると指摘し、影響が長期にわたるとの見方を示した。

 国別では、感染者数が世界で2番目のインドがマイナス9.0%と大幅に悪化。東南アジアはタイでマイナス8.0%、フィリピンはマイナス7.3%などと落ち込み、全体ではマイナス3.8%になる見込み。

 早期に経済活動を再開した中国本土は1.8%とプラス成長を維持する見通し。一方、中国が統制を強める香港はマイナス6.5%と厳しい予測になっている。

 ADBの沢田康幸チーフエコノミストは「新型コロナの流行がもたらす経済的脅威は依然として強力なものだ。感染の波が繰り返せば、さらに厳しい封じ込め措置につながるだろう」として経済への悪影響を懸念した。(マニラ 共同)

【用語解説】アジア開発銀行(ADB) アジア太平洋地域の貧困解消や生活向上に向けた経済支援などを目的とする国際金融機関。マニラに本部を置き1966年に発足した。日本を含むアジア各国や域外の米英など、計68の国や地域が加盟。加盟国・地域の出資を元手にインフラ整備などの資金を低利で融資したり、経済政策に助言したりする。毎年4月ごろに経済成長予測をまとめた「アジア経済見通し」を発表し、四半期ごとに見直している。(共同)

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