よむベトナムトレンド

コロナ禍でネットスーパーの需要急増

 ベトナム商工省の電子商取引・デジタル経済局によると、2018年の電子商取引(EC)市場規模は、前年比30%増の80億6000万ドル(約8515億円)と推定されている。当局が発表した白書によると、国内EC市場の成長率は著しく、16年は23%、17年は24%だった。また、18年は約3990万人がオンラインショッピングで120万ドルを支出した。

 注文数が200%増

 新型コロナウイルスの流行は消費者心理に影響を与え、購買習慣に変化をもたらした。旅行だけでなく、外食や買い物も実店舗に行く人が減っている。

 B&Companyの記事「コロナウイルス対応でベトナム人は政府を支持」によると、実に79%が日常生活への悪影響があったと回答。スーパーやショッピングセンターの客足は流行前に比べ40~50%減少し、売り上げは同40%減となった。

 ベトナム政府は国内での感染拡大を4月中に抑え込んだが、7月末に不法入国者から国内の新規感染が再発したことで、オンラインショッピングの利用を奨励している。中でもネットスーパー市場は参入企業も増えており、配車サービスのグラブとビー(be)がそれぞれ、「グラブ・マート」「be Di Cho」として食料品配達サービスを始めた。同国にはこれ以前より、「Chopp」や「ナウ・フレッシュ」「Lomart」といった類似サービスがある。

 ロッテ・マートはオンラインでの注文数が流行前の150~200%増となり、供給量を2~3倍に増やした。コープ・マートでは、アクセスの集中によりオンライン取引がストップするトラブルも発生。大型スーパー「ビッグC」は3月12日までの19日間で1000件以上の受注があり、成長率は2月比200%増に達した。

 B&Companyのオンライン調査(回答者200人、65%がハノイ、ホーチミン市在住)によると、ネットスーパーの利用で使うのはビン・マート(83.8%)、コープ・マート(72.5%)、ロッテ・マート(66.7%)が多いようだ。一方、知名度はグラブ・マート(60.8%)が一番高い。購入品目は飲食料品、パーソナルケア用品が多い。プラットフォームの選択理由としては、価格(73.5%)と品質(70.6%)が重視されている。

 配送料に不満も

 各企業もさまざまな取り組みを行い、集客を図っている。コープ・マートは電話注文の場合は1~2時間、サイト注文の場合は24~48時間での配達を計画。グラブ・マートはグラブアプリを利用し、消費者ごとに需要を喚起している。ナウ・フレッシュは多様な店舗と連携し、さまざまな価格帯の商品を扱っている。

 ビーンズ・サーベイによると、足元で消費者は配送料に満足していないことが分かっている。また約50%が食料品の鮮度を懸念し、約60%が割引などのプロモーションを望んでいる。それでも約84%が今後もネットスーパーを利用すると回答していることからも、ネットスーパー市場は着実に成長していくことが予測される。

 B&Company株式会社:日系で初・唯一のベトナム市場調査専門企業。消費者や業界へのアンケート・インタビュー調査と参入戦略を得意分野としている。b-company.jp

 「ASEAN経済通信」https://www.asean-economy.com

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus