海外情勢

米株が大荒れ相場に逆戻り 景気対策迷走・コロナ再拡大で冷や水

 23日の米株市場は時価総額にして6500億ドル(約68兆5000億円)が吹き飛ぶ急落となった。追加経済対策の先行き不透明感が強まっていることに加え、新型コロナウイルスの感染再拡大を受けた欧州での規制を再強化を悲観したことが主因だ。特段の目新しい材料ではないものの、市場関係者の間には、新型コロナ感染当初のような大荒れの相場に逆戻りしたとの見方が浮上している。

 同日のニューヨーク市場でS&P500種株価指数は2.4%下げて7月以来の安値となり、ナスダック100指数は3%を超える下落を記録した。

 急落の背景にあるのは、米株強気派にとってのリスクが増え続けていることだ。議会では追加経済対策に向けた超党派の取り組みが風前のともしびとなり、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめとする金融当局者らは23日、景気回復を持続させるには追加の財政刺激策が欠かせないと強調した。パウエル議長は同日の議会公聴会で、追加経済対策をめぐる政治的行き詰まりの中、「追加支援が必要になる可能性が高い」と発言。クリーブランド連銀のメスター総裁は「米経済が抜け出そうとしている深い穴を考えれば追加策は大いに必要とされている」と指摘した。

 また、新型コロナをめぐっては、感染再拡大を受け欧州で規制を再強化する動きが広がり、米国の新型コロナ死者が20万人を超える中、投資家はワクチンが手に入るのはまだ数カ月先だとみている。

 フィエラ・キャピタルのポートフォリオマネジャー、キャンディス・バンサンド氏は「新たなデータやワクチンの見通しを市場が消化しようとしているため、足元では不安定な取引となっている。相場乱高下の動きの再燃と、売買の不安定さが増していることは、これから11月の米大統領選まで荒れた市場環境が続くというわれわれの見解と一致している」と述べた。

 一方、オプション取引の状況などを見ると市場には楽観論もまだ多く、一部のストラテジストは警鐘を鳴らしている。ネッド・デービス・リサーチの米国担当チーフストラテジスト、エド・クリソルド氏はリポートで「オプション市場での極端な楽観はまだ逆回転していない。力強い株高が5カ月続いた後だけに、強気派を消沈させるには新たな悲観論が必要なのかもしれない」と述べた。(ブルームバーグ Elena Popina、Sarah Ponczek)

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