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関電、取締役会を福井で初開催 榊原会長「実効性高いガバナンスに」

 役員らの金品受領問題など一連の不祥事に揺れた関西電力の取締役会が28日午前、福井県美浜町の同社原子力事業本部で開かれた。大阪市の本店以外で取締役会を開くのは初めてで、金品問題で指摘された組織の風通しの悪さを改善する狙い。取締役会は一部報道陣に公開され、榊原定征会長は冒頭、「現場の実態や課題への理解を深め、より実効性の高いガバナンス(企業統治)につなげたい」と述べた。

 取締役会では、金品問題を受けて3月に経済産業省に提出した業務改善計画の進捗状況や今後の運用方針などが議論される見通し。終了後に社外取締役による現地視察や職員との意見交換会も予定されている。

 関電では昨年9月、役員らが同県高浜町の元助役(故人)から多額の金品を受領していた問題が発覚。外部弁護士らによる第三者委員会は今年3月、75人が3億6千万円相当の金品を受け取ったと認定した。第三者委による調査報告書は、多くの幹部が金品を受領した原子力事業本部で「閉鎖的な村社会が形成」されたとし、監督強化の必要性を指摘した。

 これを受け、関電は「風通しの良い組織の創生」を目的に同本部での取締役会開催を業務改善計画に盛り込んでいた。

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