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再任の小泉環境相、菅政権でも持ち前の突破力発揮できるか

 続投が決まった小泉進次郎環境相が菅義偉(すが・よしひで)政権下でも持ち前の突破力を発揮できるかが注目されている。安倍晋三政権時は離島の防衛施設に再生可能エネルギーを導入する方針を打ち出すなど存在感を示す場面が少なくなかった。だが、既得権益が複雑に絡む政策の実現に向けては相当の抵抗が予想されるため、従来の“小泉流”が通用するかが注目される。

 「多くの縦割りが国立公園にもある。それを解消していくことが重要だ」

 小泉氏は29日の記者会見でこう述べ、環境省が所管する「釧路湿原」や「阿寒」(いずれも北海道)など国立公園内の廃屋や電柱の撤去に向け、国土交通省と連携して景観改善に努める考えを示した。

 小泉氏は昨年9月の初入閣以降、ベテラン閣僚の懐に入り込み、省庁の垣根を越えた政策を進めてきた。 環境省は来年度、日本最東端の南鳥島(東京都小笠原村)にある自衛隊施設で再エネ導入を視野に入れた実証事業を始めるが、これは小泉氏が河野太郎防衛相(当時)に持ち掛けたことで軌道に乗った。島内の電力は船で運ばれた軽油を燃料にディーゼル発電で賄っているが、電力自給が実現すれば、海上輸送路が絶たれた場合でも自衛隊が任務を遂行できるようになる。 武田良太防災相(同)とは地球温暖化のリスクを踏まえた防災インフラの整備方針をまとめた。また、官房長官として観光戦略の司令塔を務めた菅首相からは、担当省庁が多岐にわたる「ワーケーション」(休暇先で働く)の推進に向け、政府全体で取り組むとの約束を取り付けた。

 こうした成果は小泉氏の日頃の気配りが下支えしているようだ。国会議員の誕生日に合わせて地元の神奈川・横須賀にちなんだお菓子「よこすか海軍カレー柿ピー」を贈るのもその現れの一つ。野党の中堅議員も「礼儀正しく、党が違っても分け隔てなく接してくれる」と評価する。

 ただ、省庁間で見解が大きく異なる分野において、これまでの手法が通用するかは不透明だ。特に、自身が重点政策に掲げる気候変動対策はエネルギー政策の根幹に関わるため、合意を得るのは簡単ではない。

 小泉氏は梶山弘志経済産業相が7月に発表した国内の非効率な石炭火力発電所の削減方針を歓迎するが、経産省側は将来の原子力発電所の新増設を念頭に置いているとの見方もある。来年のエネルギーミックス(電源構成比率)の見直しに向けた議論では、原発に否定的な小泉氏が経産省側とどう渡り合うかが焦点となる。(奥原慎平)

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