海外情勢

米追加策、選挙前合意は困難 財務長官と下院議長の協議不一致

 ムニューシン米財務長官は14日、追加経済対策をめぐる野党・民主党との協議に言及し、対策を来月3日の大統領選・議会選前に取りまとめるのは困難との見通しを明らかにした。トランプ政権と民主党は、交渉行き詰まりの責任は相手側にあると非難合戦を繰り広げている。

 ムニューシン長官は14日、ペロシ下院議長と電話で協議したが、合意には至らなかった。共和党のマコネル上院院内総務は中小企業支援に絞った法案の採決を来週実施する案を提示しており、長官はこの案に超党派の支持を期待するとしているが、民主党指導部は現在、断片的な措置には関心がない。

 長官は同日、米シンクタンク、ミルケン研究所の会議で「協議がここまで入り組んでいることを踏まえると、現時点では選挙前に何かを成し遂げ、実行するのは難しい」と語った。また、民主党が11月3日の議会選で上院の過半数議席を獲得できることを見込んで交渉に後ろ向きになっているほか、投票日前にトランプ大統領に成果を誇る材料を与えたくないという思惑もあるのが「実情の一端」との見方に同調した。

 ホワイトハウスのクドロー国家経済会議(NEC)委員長はCNBCとのインタビューで「ペロシ議長が交渉でわれわれをだまし続けている」と非難。長官も「いらだっている」と話した。

 これに対し民主党は、政権が譲歩しないのは新型コロナウイルスの感染拡大や追加経済対策の必要性を真剣に受け止めていないためだと批判。経済対策に関する立場も一貫性を欠いて、予測不能だと指摘した。

 政権は追加経済対策案の規模をオバマ政権の刺激策の2倍以上に当たる1兆8000億ドルと、従来案から2000ドル増やしているが、ペロシ議長は民主党が単独提案し、下院で可決された2兆2000億ドル規模に固執。規模だけでなく、医療援助や税額控除、州・地方自治体支援などをめぐる政策面の隔たりも埋まっていない。

 ペロシ議長は14日、MSNBCで「合意の可能性が消えたわけではないものの、労働者の安全性や学校支援、新型コロナの戦略的な検査計画などをめぐる両陣営の隔たりは依然として大きい」と述べた。

 民主党内には「困窮している人々は2月まで待てない」として、1兆8000億ドルの対策案での合意を求める声もあるが、ペロシ氏は応じる様子を見せていない。

 ムニューシン長官は来週、中東訪問を予定している。(ブルームバーグ Billy House)

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