海外情勢

露検事総長が北方領土訪問し実効支配誇示 日本は抗議

 【モスクワ=小野田雄一】ロシアのクラスノフ検事総長は16日、ロシアが不法占拠する北方領土の国後(くなしり)島、択捉(えとろふ)島、色丹(しこたん)島を訪問し、地元住民や企業家らと意見交換を行った。露検察庁が同日発表した。露政府高官の北方領土訪問は菅義偉(すが・よしひで)政権発足後では初。14日から始まった極東地域の視察の一環で、露検察庁によると、露検事総長の極東訪問は20年ぶり。

 北方領土をめぐっては、今年8月にジニチェフ露非常事態相が国後島を訪問。昨年8月にはメドベージェフ首相(当時)が択捉島を訪問していた。ロシアは日本の抗議を無視する形で北方領土への投資や軍備増強を進めており、クラスノフ氏の訪問にはロシアによる実効支配の強まりを誇示する狙いもあるとみられる。

 在ロシア日本大使館によると、外務省は16日、在日ロシア大使館に「日本の立場と相いれない」と抗議を申し入れた。

 イタル・タス通信によると、クラスノフ氏は地元住民からの陳情を受け、生活必需品や食料品の価格が適正かどうかチェックするよう地元当局に指示。また、携帯電話の接続状況が悪いとして、原因を調べることを命じた。

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