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首相の「肝煎り」3閣僚、グイグイ動いた1カ月を追う (1/2ページ)

 菅義偉(すが・よしひで)内閣は16日で発足から1カ月がたった。首相から矢継ぎ早に課題を指示され、各閣僚はどのように反応したのか。首相肝いりの政策を担当する注目の3閣僚の動きを追った。(大島悠亮、市岡雄大)

 河野氏 改革にスピード感、首相評価

 菅内閣の目玉政策となる規制改革や縦割り打破を託されたのが河野太郎行政・規制改革担当相だ。首相は「俺がやりたいことは全部河野にやらせる」と語る。

 スタートダッシュは早かった。新閣僚の就任会見が深夜に及ぶことに「こんなものさっさとやめたらいい」とかみついたかと思えば、間髪入れずに自身のホームページに役所の規制などに関する苦情や提案を募る「縦割り110番」を開設した。行政手続きの押印廃止や霞が関の働き方改革でも注目を浴びる。

 河野氏の働きぶりには、首相も「彼はああいうのが得意だ」と高評価を与えるが、急激な変化には不満も生じている。「行き過ぎた脱はんこ」に対し、自民党の二階俊博幹事長は関係議員に「署名を集めて反抗しろ」と発破をかけた。

 過激な言動が売りの河野氏だが、二階氏は首相の自民党総裁選勝利を主導した政権の後見役。相手が悪いと見たか「(はんこと反抗をかけた二階氏に)『座布団1枚』という感じだ。私としては、やるべきことを淡々とやるのみだ」とかわす器用さも見せた。ただ、首相が求めるスピード感は、十分な説明と理解を得る努力を伴ってこそ効果を発揮する。

 「ずいぶんスピードを出したが、マラソンを走り切るスピードになってきた」

 就任1カ月の感想を問われ、河野氏はこう答えた。ゴールまでの間にどれだけの成果を挙げられるのか。河野氏の評価は内閣全体の評価にも直結する。

 武田氏 携帯値下げ、3社に直接要請

 安倍晋三前内閣からの再任が大勢を占める菅内閣にあって、数少ないサプライズ人事となったのが武田良太総務相の起用だった。初入閣は昨年9月の内閣改造時で、菅内閣では閣外に去るとの見方もあったが、重要閣僚に抜擢された。

 武田氏は自民党の二階俊博幹事長が会長を務める二階派所属で、首相が二階氏に配慮した側面も否めないが、安倍内閣時代から安定した答弁能力や政策調整能力は評価されていた。首相も周囲に「期待している閣僚の一人だ」と語る。

 武田氏が最初に課された課題は、携帯電話利用料の引き下げだ。首相が官房長官時代に「4割引き下げる」として取り組んだ肝いりの政策でもある。

 武田氏自身が直接、大手携帯電話会社3社の幹部と面会し、「諸外国に対して遜色のない水準を」と要請。複数の市民団体と携帯電話のサービス内容や料金について話し合う意見交換会を開催するなど精力的に動いている。

 3社から料金プランの引き下げに前向きな回答も引き出し、首相の評価も上々だ。ただ、「4割値下げ」へのハードルは高い。公定価格ではない携帯料金を政府が指示することはできず、政策面で取り得る手段は限られている。

 首相が総務相時代に打ち出した「ふるさと納税」のような独自カラーを出せるかも焦点となる。独自政策で存在感を増せば、総裁候補不在の二階派で次世代のリーダーとして視界が開ける可能性もある。

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