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出会い系アプリ、74%が友人探し目的

 コンピューターを使った最初の出会い系サービスは1965年に米国で誕生。そして2012年に「ティンダー」が出てきて以来、世界中のアプリストアで何百もの出会い系サービスが登場している。世界の出会い系サービス市場は20年までに120億ドル(約1兆2536億円)まで成長すると予測されている(グラハム・レイピア氏調査、18年)。

 市場規模は2億ドル

 日経アジアのディラン・ロー氏の報道(20年)によると、オンライン出会い系アプリへのユーザー支出額で東南アジア諸国連合(ASEAN)の上位はタイ、シンガポール、インドネシア、マレーシアとなっている。一方、ベトナムは19年の市場規模が約2億ドル。この数字は、米国の15億ドル、日本の4億ドルと比較するとまだ少ない。

 B&Companyは今年5月、ベトナムの18~49歳の244人を対象に、オンライン出会い系アプリの利用状況と行動に関するオンライン調査を実施した。興味深いことに、回答者の80%以上が以前に出会い系アプリを利用したことがあり、約半数が現在利用しているという。そのうち、現在利用している人の75%はハノイとホーチミンの2都市に住んでおり、35歳未満が多い。

 約30%のユーザーが長期的な交際や結婚相手との出会いに期待している一方で、74%のユーザーが新しい友人との出会いに期待していることから、恋愛関係の構築にはあまり真剣ではないことがうかがえる。ユーザーは、週に約3日は出会い系アプリを利用。実際にアプリを介してデートをしたことがある人はいるが、回数は1人当たり約3回と少ない。79%のユーザーが、出会い系アプリから少なくとも1回はデートをし、交際関係まで発展した人は約9%、結婚した人は約2%。利用料金について、約7割のユーザーがマッチングアプリでの契約料を支払っていないとした。

 不安払拭が成長の鍵

 ベトナムでは現地系や海外系を含めかなり多くの出会い系アプリが市場に出回っているが、「フェイスブック・デーティング」と「ティンダー」は、過去半年間でユーザーが最も頻繁に利用したアプリだ。ただし、この2つのアプリを利用している主な動機が異なる点は興味深い。「ユーザー数の多さ」がティンダーを利用する主な動機であるのに対し、フェイスブック・デーティングは「ユーザーに関する正確な情報」が動機になっている。ベトナムでも情報の正確性が問われていることがうかがえる。

 ベトナムの法律上で関連する唯一の規制は、モバイルデバイス上のアプリに関するもの程度で、オンラインでの出会い系ビジネスについての規制や制限はないもようだ。ただし、個人情報漏洩(ろうえい)やプライバシー侵害、ハッキング・詐欺などに誘導しようとする悪質な利用者への不安などが、利用する上での懸念事項にもなっている。ベトナムの出会い系サービス市場のさらなる成長の鍵は、これらの不安払拭にあるかもしれない。

 B&Company株式会社:日系で初・唯一のベトナム市場調査専門企業。消費者や業界へのアンケート・インタビュー調査と参入戦略を得意分野としている。b-company.jp

 「ASEAN経済通信」 https://www.asean-economy.com

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