海外情勢

米がWTOトップ人事揺らす 最有力候補に反対、韓国代表を支持

 世界貿易機関(WTO)の事務局長選をめぐり、米トランプ政権は28日、最有力候補である元ナイジェリア財務相のヌゴジ・オコンジョイウェアラ氏に反対し、対立候補である韓国の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長を支持すると表明した。最有力事務局長候補に、最大の経済大国の米国がただ一国で反対したことで、調整が数カ月にわたり暗礁に乗り上げるとともに、米国と欧州連合(EU)などとの政治的対立が激化する可能性が出てきた。

 WTOのキース・ロックウェル報道官によると、シェイ米通商代表部(USTR)次席代表は多くの支持を集めているオコンジョイウェアラ氏の選出には同意しないと表明した。

 USTRは声明で兪氏について「25年に及ぶキャリアで貿易交渉の責任者および政策立案者として成果を収め、目覚ましい活躍を遂げた人物で、真の実力を備えた貿易の専門家だ」と説明。WTOには大規模な改革が必要で、実務経験を持つ人物が改革を主導しなければならないと強調した。

 WTOの決定には加盟164カ国・地域による全会一致の承認が必要で、特にオコンジョイウェアラ氏に反対しているのが世界最大の経済大国である米国であるため、次期事務局長の選出は膠着(こうちゃく)状態に陥る可能性がある。同氏は2019年に米国籍を取得している。

 WTOでは11月9日に一般理事会が開かれる予定で、オコンジョイウェアラ氏の報道官は、その際に選出委員会から推薦されることを同氏は楽しみにしていると指摘した。

 今後の事務局長選の鍵を握るのは3日の米大統領選だ。トランプ大統領の側近は、大統領選に勝利した場合、貿易紛争処理の範囲を絞り込む方向でWTO見直しを進める計画であることを示唆している。民主党候補のバイデン前米副大統領候補が勝利すれば、年明け1月20日の大統領就任までWTOの会合は延期される見通しだ。(ブルームバーグ Bryce Baschuk)

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