海外情勢

独仏、コロナ措置厳格化でGDP大幅鈍化へ 「感染にブレーキかける必要ある」

 欧州各国が再び猛威を振るう新型コロナウイルスの抑制に動く中、欧州連合(EU)の2大経済大国であるドイツとフランスは28日、一段と厳しい制限措置を少なくとも1カ月間導入すると発表した。経済への影響は今春のロックダウン(都市封鎖)時こそ下回るものの、年末商戦を含む10~12月期の両国の国内総生産(GDP)成長率を大幅に押し下げる見通しだ。

 仏全土ロックダウン

 両国は、バー・レストランのほか、日常生活に不可欠でないサービスの営業を停止する。ただ休校措置は取られず、大半の企業は営業を継続する。

 メルケル独首相は同日ベルリンで記者会見し、「今日は困難な日だ。政策当局者にとってもそうだ。われわれは国民に何を求めているか承知している。全国的な公衆衛生の緊急事態に陥ることは避けたい」と述べた。

 フランスでは全土を対象に、移動などを制限するロックダウンが10月30日から始まり、ドイツは今春実施した全国的なロックダウン以来最も厳しい規制措置を11月2日から施行する。

 28日にはドイツのほか、英国、イタリア、スペイン、ギリシャで新型コロナの新規感染者が過去最多を更新。フランスでは週間平均の新規感染者数が26日連続で増加している。

 フランスのマクロン大統領は国民向けのテレビ演説で「誰も予想できなかったほどの急ペースで新型コロナウイルスが国内に拡散している。欧州全体を襲っている感染の波に対抗するためには、これまでわれわれが講じた措置は不十分だと分かった」と指摘。この上で「フランスは感染拡大に急ブレーキをかける必要がある」と警告。対策を講じなければ数カ月で40万人の死者が出る可能性があると語った。

 大統領はまた、2週間で改善が見られれば一部制限を緩和する可能性があるとも述べた。今回の措置の目標は、1日当たりの新規感染者数を現在の3万9000人余りから5000人まで減少させることだという。

 独0.6ポイント下げ見込み

 フランスの入院者数と集中治療を受けている患者数は急増しており、春のロックダウン時をはるかに上回っている。マクロン大統領は、集中治療の受け入れ能力を拡大しているものの、現在の患者増加に対応するには不十分だと語った。

 フランスのロックダウンの具体的内容はバー・レストランの営業停止、国内移動の原則禁止、公の場での集会禁止、日常生活に不可欠なもの以外を扱う小売店の営業停止、在宅勤務の推奨。前回のロックダウンと異なり、休校措置は講じられず、高齢者施設への訪問が許可された。

 ドイツの措置は、レストランやバー、ナイトクラブなど遊興飲食店の営業停止、ジムや劇場、コンサートホール、映画館、遊園地などレジャー施設の営業停止のほか、会合は10人以下に制限される。また個人的な理由での移動や、親戚への訪問は控えるよう求められる。

 ブルームバーグ・エコノミクスは、今回発表された規制によるドイツ経済への影響について、4月実施のロックダウン時より小さいものの、それでも同国の10~12月期GDPを0.6%ポイント押し下げると分析。フランス経済についても1カ月にわたる規制により、1.1%のマイナス成長とみていた同期のGDPをさらに0.8~2%ポイント落ち込ませることになるとしている。(ブルームバーグ Rudy Ruitenberg)

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