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国宝「金錯銘鉄剣」も出土 国特別史跡「埼玉古墳群」のPR活動が本格化

 5世紀末~7世紀初めの前方後円墳や小型円墳が集まる埼玉県行田市の「埼玉(さきたま)古墳群」が同県内初の国特別史跡に指定され、県などがPRの動きを本格化させている。新型コロナウイルス感染拡大の影響でイベントなどの実施を見送ってきたが、感染拡大防止策を講じることで開催は可能と判断した。バスツアーなどの催しを通じてファンの掘り起こしを図る考えだ。

 埼玉古墳群は東日本最大級の規模を誇り、南北約800メートル、東西約500メートルのエリアに9基の大型古墳がある。このうち稲荷山古墳からは、雄略天皇とみられる「ワカタケル」との銘文が刻まれた国宝の「金錯銘鉄剣(きんさくめいてっけん)」が出土した。

 大規模な古墳が集まっている埼玉古墳群の特徴は、時代ごとの墓の特徴や葬られた有力者の階層を考察する上で貴重とされ、3月、史跡の中でも特に価値が高い特別史跡に指定された。

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で記念式典やシンポジウムなどが中止となり、「特別史跡としてアピールする機会を逸した」(県関係者)。巻き返しを図り、県や行田市は、認知度アップのためのイベントなどを11月から本格的に始動させる。

 目玉は11月下旬から来年1月下旬にかけて県内の古墳を回るバスツアーだ。埼玉古墳群のほか、東松山市の県指定史跡「将軍塚古墳」などを回る2つのコースを設定し、古墳ファンらでつくる「古墳にコーフン協会」の会長を務める歌手のまりこふんさんが同行する。

 今年11月中旬には、トラックなどに乗って埼玉古墳群を周遊する芸術イベントも開催するほか、関連グッズのアイデアを一般公募したり、埼玉古墳群と行田市を舞台にした謎解きイベントを開いたりすることも検討している。

 埼玉古墳群には内部調査が進んでいない古墳も多く、県立さきたま史跡の博物館(行田市)の担当者は「知名度アップが調査進展の後押しになれば」と期待を込めた。(中村智隆)

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