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3次補正で注目、衆院解散はいつ? 政府・与党に憶測も

 菅義偉(すが・よしひで)首相が10日、今年度の第3次補正予算案の編成を指示したことで、衆院解散・総選挙のタイミングに注目が集まっている。年明けの通常国会冒頭で解散するシナリオがささやかれているが、予算審議を優先すれば先送りは免れないからだ。来年10月の任期満了間際も含め、首相は慎重に解散時期を見極める。

 「新型コロナウイルス対策、経済の再生が最優先だ。まずはこれらに全力で取り組みたい」。首相は10月29日の衆院本会議で、早期解散に否定的な見解を重ねて示した。

 政府・与党内では、令和3年度予算編成のため年内解散はないとの観測が大勢だ。ただ、首相が来年1月早々に解散に踏み切るとの見方はくすぶる。首相の掲げる政策課題の方向性が年内に出そろうためだ。政権の目玉政策のデジタル庁設置に向けた基本方針や不妊治療の保険適用実現に関する工程表公表も年末だ。

 早い段階で小さな成功を積み重ねる「アーリー・スモール・サクセス」で高い内閣支持率を維持し、解散への環境を整えているという見方は消えない。自民党の下村博文政調会長も今月7日、北海道苫小牧市で開かれた党会合で「年内はないと思うが、年明け早々の可能性はある」との見方を示した。

 ただ、冬場は新型コロナウイルス感染拡大の恐れがある。米大統領選でバイデン前副大統領の勝利が確実となったことで、首相の1月下旬以降の訪米も取り沙汰されている。来年7月には東京五輪も開幕し、連立を組む公明党が重視する東京都議選も行われる。

 公明党が都議選に近い春先や夏の解散に反対するのは必至で、タイミングを逃せば解散時期は任期満了直前に絞られる。首相周辺も「首相は選挙好きだが慎重に判断する方だ」と語る。

 来年9月末には自民党総裁の任期も満了を迎える。首相の後ろ盾となる安倍晋三前首相は総裁選を前に衆院選で勝利すれば、総裁選は無投票もあり得るとの見方も示す。自民党の選挙対策関係者は「衆院議員の任期はずらせないが、総裁選任期は1カ月ほど後ろ倒しできる。選挙で勝って、堂々と総裁選に臨めばいい」と話した。(大島悠亮)

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