海外情勢

香港民主派議員が全員辞表 中国「茶番、立法会運営に影響出ず」

 【北京=西見由章、ワシントン=黒瀬悦成】中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)常務委員会の決定に基づき香港立法会(議会)の民主派議員4人が議員資格を剥奪されたことに抗議するため、民主派最大政党、民主党の胡志偉主席ら、民主派で残る15人の議員全員が12日、立法会事務局に辞表を提出した。香港メディアが伝えた。

 一方、中国政府で香港政策を担当する香港マカオ事務弁公室の報道官は12日、「一部議員の辞職という茶番により、立法会の正常な運営に影響が出ることはない。攪乱(かくらん)勢力の減少で、より建設的な役割が発揮できる」との談話を発表し、親中派がほぼ独占することになる立法会で今後も議事が進行していくとの考えを示した。

 一方、国際社会からは非難の声が相次いだ。

 オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は11日、全人代常務委の決定について「中国共産党が(香港の自治を保障した)中英共同宣言に基づく国際的義務に違反していることは疑問の余地がない」と指摘し、トランプ政権として香港の自由の侵害に加担した者を特定し制裁していくと強調した。

 英国のラーブ外相も11日に出した声明で、中英共同宣言で認められた「香港の高度な自治や自由へのさらなる攻撃だ」と非難した。

 中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は12日、こうした批判に対して「中国の内政であり、他国がとやかく言う権利はない」と述べた。

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