国内

データ分析して介護の質を向上

SOMPOホールディングス グループCDO 尾股 宏さん(57)

 --介護事業でデータ活用を進めようとしている

 「多くの介護事業者は人海戦術でサービスを提供しており、1人で2人の入所者を見るのが限界といわれている。これをデータを使うことで質を上げつつ1人でもっと多くの人が見れるようにできないかと考えている」

 --具体的には

 「500くらいの介護事業者のデータがあるが、これをプラットフォーム化しようとしている。いまは試験的に5施設のデータを吸い上げてみているところだ。介護施設には入所者の体温や心拍数、摂取した食べ物の種類や残した食べ物の量、排(はい)泄(せつ)の状態などさまざまなデータがある。これらをつなげて、パソコン上で入所者の状態の変化が見られるようになっている」

 --データをみて分かったことは

 「実際の例だが、入所者の食欲が急に落ちたときがあった。施設の人が気づく前にパソコンでアラートが鳴りデータをみたら、数日前に治療で歯を抜いて、従来と同じ食事が硬くて食べられなくなっていることが分かった。そこで食事の内容を変えたら体重が戻った」

 --プライバシーを気にする人もいるのでは

 「入居者やご家族の許可をとり、匿名化した上でデータ分析をするなど配慮している。そもそも、データを売り物にするという発想ではなく、入居者の生活の質を改善させることに主眼を置いており、家族と話をして目的を伝えると、ぜひ提供したいという答えが多い」

 --データを販売するという考えはないのか

 「まずは自分たちで試し、有効性を確認できたら横展開も考えたい。事業をやっていなければ得られないリアルデータは、GAFA(ガーファ)などの巨大IT企業も持っていない貴重なデータだ。将来的には海外でも勝負できるものになると考えている」

 おまた・ひろし 早大政経卒。1988年電通入社。電通デジタル執行役員、日本アイ・ビー・エムのチーフデジタルオフィサー(CDO)を経て2020年4月から現職。神奈川県出身。

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