よむベトナムトレンド

IoT軸の「スマートホーム」、低価格化で普及

 「スマートホーム」とはIoT(モノのインターネット)を軸に利便性、快適、安全などを追求した住宅システムで、100ドル(約1万円)未満の機器単体から新築時に家全体とともに設計、構築される数万ドルの統合的なシステムまでさまざまな範囲、価格帯がある。このベトナム市場の急成長が見込まれている。

 年24%成長見込む

 スタティスタによると、2020年のベトナム・スマートホーム市場は約1億8000万ドルで、25年までに平均約24%で成長し、約5億2000万ドルに達することが見込まれる。内訳は「スマート家電」が最大で、世界中で売れたスマートスピーカーのようにネットワークに接続可能な家電を広く含む。

 プレーヤーとしては従来、独シーメンス、仏シュナイダーエレクトリックなどの世界的大企業がベトナム市場に参入しているが、価格帯が高く普及は限られた。スマートホーム製品は単体でも買えるが、結局のところ市場規模を大きく押し上げるのは、また顧客価値からもその真価を発揮するのは、住宅に統合して組み込まれたときだろう。しかし、これにより住宅価格が数万ドル(シーメンスで1万5000ドル以上)も上がってしまっては、都市部の新築マンションで10万~20万ドル程度が売れ筋であるベトナム住宅市場で多くを売ることは難しい。ここに低コストが可能な国内企業の機会があった。

 インターネットセキュリティー大手のBkavは、17年から「エコライフ・キャピトル」「ハノイ・ランドマーク51」など国内外約60プロジェクトで中間所得層向けにセキュリティー中心の多機能かつ低価格(約1700ドルから)のスマートホームを展開し、20年には1万2000世帯での導入が見込まれている。

 新しいもの好き

 LumiはVinhomesとの提携で、「セントラル・パーク」「ロイヤル・シティー」「タイムズ・シティー」で3パッケージ(スタンダード、ミディアム、VIP)を1500~4500ドルの価格帯で提供し、中高所得層に強く市場シェアが大きい。Acisは幅広いタイプの住宅への導入を目指し、価格を海外同等製品の4分の1としたことで、ベトナム南部での市場シェアが70%を超えた。(Vnエクスプレス、EINプレスワイヤー、各社ウェブサイトから)

 ベトナム人は新しいものが好きである。住宅購入の主力である30代までのITリテラシーも高い。日本が「リープフロッグ」される分野となる可能性もある。低価格で新築マンションに組み込まれることで、幅広い普及に向かい始めたのではないだろうか。

 B&Company株式会社:日系で初・唯一のベトナム市場調査専門企業。消費者や業界へのアンケート・インタビュー調査と参入戦略を得意分野としている。b-company.jp

 「ASEAN経済通信」 https://www.asean-economy.com

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus