株価・外為

株主優待、10年ぶり減少 コロナ禍で食事券の期限延長や見学会中止も

 株主優待を実施する企業が今年は10年ぶりに減少する見通しであることが26日、明らかになった。新型コロナウイルスの感染拡大で業績が悪化した業種で廃止したケースが目立つ。個人投資家に人気の優待制度は安定株主の呼び込みに欠かせないが、コロナ禍のダメージを引きずれば、来年以降も減少傾向が続く可能性がある。

 野村インベスター・リレーションズ(IR)の集計によると、令和2年1~9月の間に株主優待を行った企業は前年同期よりも8社少ない1524社だった。企業数が減少するのはリーマン・ショックの影響が残っていた平成22年以来10年ぶりだ。

 一方、株主優待を廃止した企業は52社で、前年(31社)の1・7倍。新設した企業は70社から33社に半減した。外食産業を含む小売業やサービス業で減少が目立つ。一時生産停止に追い込まれた自動車や電機でも減少した。

 4~5月の緊急事態宣言で外出自粛の動きが広がった際は、外食チェーンが食事券、鉄道や航空各社が運賃割引の有効期限を延長するなどの対応をとった。しかし夏以降は工場見学会などのイベントを取りやめ、自社商品やグッズの送付に切り替えたり、保有株式数に応じて付与されるポイントを使って複数の上場企業の優待商品と交換できるサイトを活用したりする企業も増えたという。

 野村IRの千葉博文氏は「企業は安定株主を増やしたい切実な気持ちもあり、ニューノーマル(新しい日常)の時代に合わせて優待制度を工夫している」と指摘している。

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