海外情勢

中国「独身の日」好調 巣ごもり需要刺激、期間中の取引額は約7兆9000億円

 中国で「独身の日」と呼ばれる11月11日まで、インターネット通販各社による毎年恒例の値引きセールが行われた。中国ネット通販最大手のアリババグループが始めたセールは12回目を迎えて中国社会にすっかり定着し、期間中の取引額は4982億元(約7兆9000億円)に上った。

 昨年まで11月11日の1日のみだったセール期間を、今年は実質的に1~11日までの11日間に拡大した。理由についてアリババは、消費者に商品購入の検討時間を十分に提供するためなどと説明している。その効果もあって取引額は2019年の2684億元を大きく上回った。対象期間が異なるので単純比較はできないが、今年の取引額は前年比85.6%増という計算になる。

 新型コロナウイルスの影響による「巣ごもり需要」や、海外旅行に出られない消費者の購買意欲が中国国内での「爆買い」に向かったと指摘される。そうした需要を取り込むべく25万以上のブランドが参加し、「プラダ」や「カルティエ」といった欧米の高級ブランドが初参加。マンションや自動車など高額品の投入も目立った。また、越境電子商取引(EC)の取引額の国・地域別ランキングでは日本が5年連続で首位を記録した。

 中国では独身を意味する数字の「1」が4つ並ぶ11月11日を「独身の日」と呼んでいて、アリババが09年にセールを始めた。当初は独身者が自分への“ごほうび”をネットで購入する日という位置付けだったが、国内外の企業が参加して取引額は拡大を続け、競合他社も追随。今では独身者に限らない国民的な消費イベントに成長し、ネット通販各社や出店企業が大幅な値引きや芸能人を呼ぶといったイベントを仕掛けている。(浙江省杭州市 三塚聖平)

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