海外情勢

英中が蜜月から対立に 「戦狼外交」に英反発、ファイブ・アイズ傾斜 (1/2ページ)

 かつて「黄金時代」と評された英中両国の関係が急速に悪化し、対立が先鋭化している。中国が英国内でさまざまな誘導工作を展開するとともに、好戦的な「戦狼外交」を進めてきたことに英国内で反発が強まっているためだ。英国が欧州連合(EU)からの離脱に伴い、中国と対立している米国に接近していることも、英中関係悪化に拍車をかけている。

 ファーウェイ排除

 英政府は11日に「国家安全・投資法案」、24日に「通信安全保障法案」をそれぞれ議会に提出。中国を念頭に安全保障面への懸念から外国企業による英国への投資規制や、第5世代(5G)通信網からの中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)製機器の排除などを目指す。

 EUを離脱した英国が世界第2の経済国である中国と不和になれば、報復措置を受ける可能性があることはオーストラリアの例を見れば明らかだ。英国にとって中国は昨年、米国、ドイツに次ぐ3位の貿易相手国だが、一方の中国にとって英国は14位にすぎない。

 米トランプ政権がファーウェイ外しを迫る中、英ジョンソン政権は2027年までに5G移動通信網からファーウェイを完全排除する方針を打ち出している。また、早ければ来年から5G向けのファーウェイ製品購入を禁止する見通しだ。外国勢からの買収阻止法案は、中国の新たな怒りを呼ぶ可能性がある。

 中国外務省の趙立堅報道官は25日の定例記者会見で英国のファーウェイに対する措置は根拠がないとし、「中国企業の正当な利益を著しく損なった」と非難した。

 ジョンソン首相は自身を親中派と呼び、中国との連携を望む姿勢を示してきた。だが保守党内での対中強硬姿勢の強まりの中、対中関係悪化に歯止めをかけるのは難しくなっている。

 中国の戦狼外交を示すエピソードがある。今秋、劉曉明駐英大使と英議員団との間で行われた中国の建国71周年を祝うリモート会合の席上、1人の保守党議員がイスラム系少数民族のウイグル族に対する中国の弾圧に言及したところ、大使は議員の話を遮り、5分にわたり反論するなど会場は緊張に包まれたという。

 「正当性の買収」拡大

 英諜報部門の関係者の一人は、ファーウェイ問題をめぐり中国が英国内で影響を拡大している動きを「正当性の買収」と表現する。「中国は完全に合法的に、かつ道徳的に事業や企業を手に入れる考えだ。それこそが正当性を手に入れる手段。英国のエリートは甘ちゃんで左右されやすいため、簡単に買収されてしまうというわけだ」と話した。

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