国内

エコカー減税など要件線引き争点 自公税調、政治案件を議論

 自民、公明両党の税制調査会は2日に2021年度税制改正に向けた会合を開き、省庁や業界の利害関係が絡み、政治判断が必要な案件についての議論を始めた。新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた企業や消費者の税負担の軽減措置が主な議題で、住宅購入や自動車保有などに関わる減税要件の線引きをめぐり、10日にも決定する税制改正大綱に向け厳しい折衝が続く。

 毎年の住宅ローンの借入残高の1%を所得税から差し引く住宅ローン減税は、床面積の要件を緩和する方向だ。減税を通常より3年長い13年間受けられる特例も、今年末までの入居とする適用期限を延長する。

 ただ、借入金利が控除率の1%を下回る場合、ローン控除額が支払い利息を上回る“逆ザヤ”が生じることを問題視する声もあり、争点となる可能性がある。

 環境性能に応じて自動車重量税を減らす「エコカー減税」は、より厳しい環境性能を求める「2030年度燃費基準」の達成度に応じて免税、減税の対象車を振り分ける。

 コロナ禍で販売が低迷する自動車業界などは、基準を4割程度下回った車まで広く減税対象にすべきだと主張。

 対して、地方財源である自動車関連の税収を確保したい総務省は減税対象車をさらに絞り込むよう訴えており、意見は対立する。

 土地税制では、地価上昇により固定資産税の負担が増えないよう軽減措置を講じる方針だ。ただ、固定資産税は自治体の税収の柱であるため、総務省は減税の範囲を狭め、対象を商業地に限定したい考え。一方で国土交通省は住宅地までの対象拡大を求める。

 また、統合型リゾート施設(IR)に関する税制では、訪日外国人がカジノで得た勝ち金をめぐり、非課税にするかどうかを議論する。

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