国内

経団連が「2000個問題」解消を提言へ デジタル化推進で政府に

 デジタル化の推進に向け、経団連が国や地方自治体で異なる個人情報の定義をそろえるよう政府に提言することが4日、分かった。個人情報保護に関する法令は国や都道府県、市町村などがそれぞれ別個に定めており、その数から「2000個問題」とも呼ばれる。新型コロナウイルスへの対応でも患者などの情報共有に支障が出ており、デジタル化による情報共有の障害を早期に取り除くことを促す。

 今回の提言では、政府が個人情報の取り扱いに関する全国共通のルールを法律で定めることを求める。具体的には、個人情報保護法などを改正し、個人情報の定義を国と地方でそろえることを想定する。民間企業と独立行政法人を対象とする2つの法律との一本化も念頭に置いており、国、自治体、民間企業が持つデータを活用する際にシームレスに連携できる環境整備を期待する。

 個人情報に関する法令は国や都道府県、約1700の市町村などがそれぞれ別個に定めている。データ共有の方式や手続きなどが異なることから、別の機関との情報共有が難しく、運営する自治体が異なる公立病院の間で患者情報のやり取りがうまくできないなどの問題が指摘されてきた。災害支援などで関係機関との情報共有に支障が出るといった弊害も出ている。

 菅義偉(すが・よしひで)首相がデジタル庁の新設など、行政のデジタル化方針を打ち出していることを踏まえ、提言を行うことにした。提言には2000個問題の解消のほか、マイナンバーカードの活用拡大やデータ連携の強化、人工知能(AI)などのデジタル技術の活用なども盛り込み、デジタル経済戦略の加速を促す。

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