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大阪モデル、赤から黄への基準決定 長期化による「慣れ」懸念

 大阪府は14日の新型コロナウイルス対策本部会議で、自粛要請の基準「大阪モデル」で非常事態を示す赤信号から警戒の黄信号に引き下げる目安を「7日連続で重症病床使用率60%未満」と決めた。解除の要件に一定期間を設けることで重症者の減少傾向を担保できると判断した。モデル全体の修正は感染の第3波が収束していないとして、今後検討するとした。

 病床使用率算出の母数となる重症者用の確保病床は現在の206床に、15日から稼働する臨時施設「大阪コロナ重症センター」の30床を加え236床とする。

 藤井睦子・府健康医療部長は14日の対策本部会議で「12月3日以降、新規感染者数が366人で横ばいとなる」との想定による試算を公表。試算上は12月30日から7日間連続で60%を下回り、1月5日に黄信号に移行する-と説明した。

 藤井部長は今回の解除基準について「一定期間60%未満を達成する中で、重症者が減っていくトレンドを判断できる」と述べた。

 大阪モデルは緊急事態宣言下の5月に「出口戦略」として策定した。感染経路不明者数と新規感染者数、重症病床使用率の3指標をもとに感染状況に応じて緑と黄、赤の信号をそれぞれ点灯させる運用だ。

 府内では黄信号を点灯させた7月12日以降、解除の緑信号に戻ることなく警戒状態が継続。赤信号は「重症病床使用率70%」に達した場合に点灯させるとし、基準到達前の今月3日に初めてつけた。

 懸念されるのが、赤信号の長期化に伴う「慣れ」だ。吉村洋文知事はこの日の対策本部会議で「赤信号をずっとつけていては意味がない。メリハリが重要だ」と指摘した。一方で、府幹部は現在の赤信号の点灯基準について「70%が妥当かどうかは検証しなければいけない」と述べた。

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