海外情勢

中国、小売売上高4カ月連続プラス 「独身の日」も後押し

 【大連=三塚聖平】中国国家統計局が15日発表した11月の主要経済指標によると、消費動向を示す小売売上高は前年同月比5・0%増だった。4カ月連続でプラスを記録した。新型コロナウイルスによる消費低迷が落ち着いたことに加え、中国で「独身の日」と呼ばれる11月11日にインターネット通販各社が行った値引きセールも後押しした。工業生産や固定資産投資も回復傾向が続いているが、今後は世界的な感染再拡大の影響が懸念される。

 小売売上高の上昇率は10月から0・7ポイント増加した。内訳では化粧品が30%超、宝飾類が20%超の高い伸びを見せた。10月に新型コロナ流行後で初めてプラスに転じていた飲食店の売上高は、0・6%減で再びマイナスに戻った。

 一方、11月の工業生産は7・0%増。上昇率は10月から0・1ポイント増加し、8カ月連続でプラスとなった。工業用ロボットや発電設備の生産量は30%超の大幅な伸びを見せたが、自動車は8・1%増と伸び率が鈍っている。

 企業の設備投資を含む固定資産投資は1~11月の累計で前年同期比2・6%増だった。伸び率は1~10月(1・8%)から拡大。政府の景気対策を背景に国有企業を中心に伸びが続いているが、民間投資も0・2%増とプラスに転じた。道路や鉄道などのインフラ投資は1・0%増だった。不動産開発投資は6・8%増で、6カ月連続でプラスを維持して拡大傾向が続いている。

 統計局の付(ふ)凌(りょう)暉(き)報道官は15日の記者会見で、冬場に入って世界的に新型コロナの感染が再拡大している影響について触れ、「不安定で不確実な要因がまだ多くある」と先行きに警戒を示した。

 中国の生産、消費、設備投資の主要経済指標は、新型コロナの直撃を受けて1~2月に軒並み初のマイナスに落ち込んでいた。その後に政府主導で回復が進み、10月に発表した2020年7~9月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比4・9%増となっている。

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