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小林化工の水虫薬「MEEK」 業界関係者「普通は起こらない」ミス次々と判明

 爪水虫などの治療薬イトラコナゾール錠50「MEEK」をめぐり、新たに1人の死亡を発表した「小林化工」。弁護士などによる調査委員会を設置して原因解明を進めるが、すでに業界関係者が「普通は起こらない」と指弾する製造過程でのミスや手順違反が次々と明らかになっている。

 混入は7月ごろ、担当者が製造過程で目減りした原料を補充しようと、継ぎ足した際に起きた。小林化工はこのとき、本来入れるべき主成分が入った容器と、睡眠導入剤成分が入った別の容器を取り違えたと説明する。

 だが、本来の成分が入っていたのは、ドラム缶のような形をした大きな厚紙の容器で、間違えたのは小さな四角形の金属製と形状が大きく異なる。12日に報道陣の取材に応じた小林広幸社長は「一般的な感覚からすれば、取り間違えることがない」とずさんさを認めざるを得なかった。

 機械への付着などで、原料が減ることはあるものの、そもそも継ぎ足し作業は厚生労働省が承認した製造手順では認められていなかったという。

 取り違えだけでも大きな問題だが、薬の製造ミスは人命に直結するため、厳重な確認作業が欠かせない。だが、同社のチェック機能は働いていなかった。

 通常、原料は倉庫内で保管し、工程に必要な分だけ管理責任者がダブルチェックした上で持ち出す。同社の規定でも、原料を取り出す際や計量する際は2人での指さし確認が必要となっていたが、当時は担当者1人で作業していた。

 人的ミスを防止するため、バーコードを使ったコンピューター管理が業界では一般的になっているが、同社では別の工場ではバーコードを取り入れていたが、この工場では導入されていなかった。

 製薬業界の関係者は「製造品目が少ない会社ならともかく、多品種の薬を製造する小林化工で、コンピューター管理されていないとは思わなかった」と驚く。

 ミスに気付くことができた機会はほかにもあった。製品の作業記録には本来なら投入されるはずがない睡眠導入剤成分を示す番号が記載されていたほか、最終的な品質検査でも異物混入を示すデータが検出されていたが、見過ごされた。

 岩城正宏・近畿大薬学部長は、「薬は命にかかわるので厳重なチェックが必要。人の命に関わるものを扱っている自覚が薄れていたのかもしれない。外部の目を入れて原因を調べ、繰り返さないようにしなければならない」と指摘している。

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