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ブックオフからパソナまで「消費者から買う」ビジネスが圧倒的に儲かるワケ (1/3ページ)

 どんなビジネスなら儲かるのか。東大在学中に起業し、現在年商10億円の企業を経営する事業家bot氏は「消費者に商品を売るビジネスよりも、ブックオフのような消費者から買うビジネスのほうが圧倒的に儲かる。特にこれから儲かるのは、肉体労働者の労働力を買う人材派遣業だ」という--。

 本稿は、事業家bot『金儲けのレシピ』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

 消費者に売るビジネスと消費者から“買う”ビジネス

 一般的に「商売」としてイメージされるのは、スーパーマーケットや飲食店のような、「消費者に売る」ビジネスである。一方で、バイクの買い取りの「バイク王」や、「ブックオフ」、質屋のように、「消費者から買う」ビジネスも存在する。

 この二種類のビジネスを比較したときに、「消費者から買う」ビジネスのほうが圧倒的に事業構造がいい。

 何故ならば、消費者というのは文字通り“消費”者なので、消費のプロフェッショナルなのである。10円安い卵を求めて、1キロ離れたスーパーに行く主婦、というのも決して珍しい存在ではないことからもそのことがわかるだろう。価格感応度が高いのである。

 一方で、消費者が「売る」ときはプロフェッショナルではない。実際、ブックオフに本を持っていき、「全部1円です」と言われても、持ち帰るのが面倒なので全て売ってしまう人間がほとんどである。

 消費者が「売る」ときは、売却の一回性が働くので、価格相場に詳しくなりようがない。一方、買取業者側は複数回の取引をしているので、相場観を理解しているわけである。

 買取専業を掲げて成功した「ガリバー」

 ガリバーという中古車屋は、「買取専業」という新しいビジネスモデルで大きく成長した。

 これは、利益の源泉が「消費者からの買い取り」にあることを見抜き、そこにフォーカスすることで利益率を高めることに成功したからなのである。

 このガリバーの成功要因は「買取専業」を掲げたことであった。ガリバー以前の中古車屋は、「高価買取」と「安価販売」を同時に謳うというやや矛盾した業態であったが、ガリバーは買取専業にして、買い取った車は業者間のマーケットに流してしまうことで、「消費者から買い取る」というコアバリューに注力することができた。

 この戦略の事例は、楠木建『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)にも記述されている。また、この「買取専業」と同じようなアプローチを、他の業態で展開できる可能性もあると考えられる。

 例えば、市場価格がある程度ロックされていて、業者間での価格が安定している商材であれば、「安く買い取る」という点にフォーカスして事業を展開し、売る部分は業者間市場で売り払ってしまうという割り切りを行うことで、新たな事業のヒントが見えてくるかもしれない。

 消費者の労働力をまとめ買いする派遣事業者

 消費者が「売る」ときに、値段について真剣に考えていないのは、モノだけではなく、自分自身についても同様である。

 ほとんどの日本の労働者の給料は、実質的には、「所属する業界×業界内でのランク×役職・雇用形態」によって決定されており、それに疑問を持つ人はさほど多くはない。逆に言うと、企業が労働者から「労働力」を買うときにもチャンスがある、ということである。

 この労働力を取りまとめて売る、というのは極めて原始的なビジネスで、例えば山口組が港湾労働者の派遣業から発達したように、わかりやすくマージンを抜くことができるビジネスである。

 そして、このビジネスを現代風にしたのが、規制緩和の波に乗った派遣事業者であり、クラウドワークスやランサーズを始めとしたクラウドソーシング系のビジネスであると言える。

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